住友化学工業事件

労働判例

【事件名】損害賠償請求事件

【いわゆる事件名】住友化学工業事件

【裁判所名】最高裁判所第三小法廷

【裁判年月日】昭和54年11月13日

【事件番号】昭和53年(オ)第763号

【審級関係】

第一審 名古屋地方裁判所昭和47年(ワ)第1789号 昭和50年12月 5日判決

控訴審 名古屋高等裁判所 昭和50年(ネ)第597号 昭和53年 3月30日判決

【判例要旨】

1.就業規則・労働協約所定の一時間の休憩時間が自由に利用できるものではなかつたことを理由とする損害賠償請求につき、それによつて被つた不利益を勤務一時間当りの賃金相当額に換算することは妥当でないとして、三〇万円の慰謝料の請求のみを認めたことに違法の点はないとした事例。

2.一時間の休憩時間において、食事をしに行く外は操炉現場の離脱を禁止された操炉班員の受けた不利益は、その時間に完全に労働に服した訳ではないから、勤務一時間当りの労働の対価相当額に換算または見積ることはできず、慰謝料をもつて算定するのが相当である。

3.一 1時間の休憩時間において、食事をしに行く外は操炉現場を離脱することを禁止された操炉班員に対し、会社は、休憩時間を自由に利用させる債務の不履行責任を免れない。

二 労務指揮の下に身体・自由を半ば拘束された不完全な休憩時間において、労働者は完全に会社の労務に服していたわけではないから、右拘束による身体上、精神上の不利益は、勤務1時間当りの労働対価相当額に換算しえず、専ら精神的損害として算定されることをもつて足りるものと解される。

4.一時間の休憩時間において、食事をしに行く外は操炉現場の離脱を禁止された操炉班員の受けた不利益は、その時間に完全に労働に服した訳ではないから、勤務一時間当りの労働の対価相当額に換算または見積ることはできず、慰謝料をもつて算定するのが相当である。

【裁判結果】上告棄却

【出典名】判例タイムズ402号64頁/労働経済判例速報1032号3頁