Q3 労働基準監督署の機能について教えて下さい。

ご利用にあたって

  • 労働問題Q&Aは個別事案について法的なアドバイスをするものではありません。
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具体的なご相談は、厚生労働省「総合労働相談コーナー」新しいウィンドウなど行政機関等の相談窓口にお尋ねください。


質問

労働基準法違反については、労働基準監督署が取り締まりを行うこと、実際に現場で調査等を行う労働基準監督権には逮捕権など強い権限が認められていることを聞きましたが、労働基準監督署、労働基準監督官の権限や機能について教えて下さい。

回答本文の内容は執筆時点のものです。その後の法改正などは反映しておりません。

ポイント

労基法の実行性を確保するため、行政監督制度が設けられています。厚生労働大臣の下に、厚生労働省労働基準局、各都道府県労働局、労働基準監督署が設置されており、現場で監督を担当する労働基準監督官には様々な権限が認められています。

解説

<行政監督制度>

労働基準監督官は、法の施行のための行政取締や刑事処分にかかわり、事業場を臨検し、帳簿や書類の提出を求め、必要な尋問を行う権限や、労基法違反の罪に対する司法警察員としての権限(逮捕権、捜査権など)をもっています(新しいウィンドウが開きます労基法101条新しいウィンドウが開きます102条)。また、労働基準監督署長も、労働基準法のもとで臨検、尋問、許可、認定など様々な権限をもっています(新しいウィンドウが開きます労基法99条3項

この他、労働基準監督署長や労働基準監督官は、必要があると認めるときには使用者や労働者に報告や出頭を命じることができます。

以上、まさに現場の第一線で労基法違反の取り締まり等を担当する労働基準監督署(労働基準監督官)は、強力な権限をもつだけに、その権限を行使しうるのは、労基法や労働安全衛生法など、法律上に定められた所管事項に限られるのが原則です。したがって、一般的な啓発活動などは別として、解雇権濫用の成否など、労基法に定めのない事項については、監督権限を直接行使することはできないことになります。さらにいえば、これらの機関は直接の紛争解決権限をもっているわけではありません。しかし他方で、行政取締等の過程において、使用者が法違反を是正するなどして、結果的に労働紛争が解決することも少なくないと思われますので、労働紛争の解決において大きな役割を担っているといえるでしょう。

関係法令・資料

労働基準法(昭和22年04月07日 法律第49号)第99条 101条 102条

労働安全衛生法(昭和47年06月08日 法律第57号)

(成蹊大学法学部准教授 原 昌登)

2011年3月掲載