Q3 民間の職業紹介にはどのような規制がありますか。

ご利用にあたって

  • 労働問題Q&Aは個別事案について法的なアドバイスをするものではありません。
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具体的なご相談は、厚生労働省「総合労働相談コーナー」新しいウィンドウなど行政機関等の相談窓口にお尋ねください。


質問

最近、民間の職業紹介機関が増加しているようですが、法律ではどのような規制があるのでしょうか。

回答本文の内容は執筆時点のものです。その後の法改正などは反映しておりません。

ポイント

職業紹介事業を民間が行う場合は、原則として行政(厚生労働大臣)の許可が必要です。労働条件の明示、個人情報の保護といった職業紹介一般に対する規制に加えて、有料で職業紹介を行う場合に求人者(事業主)から受け取る手数料について規制があります。

解説

職業紹介事業は、ハローワークだけでなく、民間企業も行うことができます。ただし、職業紹介が適正に行われるようにするため、職業安定法によって規制がなされています。職業紹介に関する一般的な規制(新しいウィンドウが開きます本節のQ1)に加えて、行政(厚生労働大臣)による許可が原則として必要となるほか、求人者(事業主)から受け取る手数料などで規制がなされています。

特に、手数料を受け取って職業紹介を行う有料職業紹介事業は、いわゆる中間搾取を防止するため、かつては原則として禁止されていました。しかし、様々な求人・求職のニーズに応えるといった必要があるため、現在では一定の規制のもとで民間事業者が職業紹介を行うことができることとされています。

〈職業紹介事業の許可〉

有料職業紹介事業は、港湾運送業務と建設業務を除き、すべての業務(職種)について行うことができます(新しいウィンドウが開きます職業安定法32条の11。行うことが「できない」業務を挙げて規制する方式なので、「ネガティブ・リスト」方式と呼ばれます)。ただし、有料職業紹介事業を行う場合には、行政(厚生労働大臣)の許可が必要です(新しいウィンドウが開きます同30条以下)。具体的には、許可の基準等(新しいウィンドウが開きます同31条)、許可の欠格事由(新しいウィンドウが開きます同32条)、許可の手続(新しいウィンドウが開きます同30条新しいウィンドウが開きます32条の4~8新しいウィンドウが開きます10)、手数料(新しいウィンドウが開きます同32条の3)、許可の有効期間(新しいウィンドウが開きます同32条の6)、許可の取消しおよび業務停止命令(新しいウィンドウが開きます同32条の9)、取り扱うべき職種等の範囲の限定・明示(新しいウィンドウが開きます同32条の12新しいウィンドウが開きます13)、職業紹介責任者の選任(新しいウィンドウが開きます同32条の14)、事業報告(新しいウィンドウが開きます同32条の16)などについて新しいウィンドウが開きます職安法で定められています。

なお、手数料を受け取らない無料職業紹介事業も、学校や地方公共団体といった法律上定められた例外(新しいウィンドウが開きます同33条の2)を除き、厚生労働大臣の許可が必要です。

以上の他、民間の職業紹介事業者と国(ハローワーク)に共通する一般的な規制として、労働条件等の明示(新しいウィンドウが開きます同5条の3)、個人情報の保護(新しいウィンドウが開きます同5条の4)、すべての求職、求人の受付義務(同新しいウィンドウが開きます5条の5新しいウィンドウが開きます6)などが定められています(詳細は新しいウィンドウが開きます本節のQ1を参照)。

〈有料職業紹介における手数料〉

有料職業紹介事業者が求人者(事業主)から受け取る手数料については、上限制手数料、届出制手数料の2つに分類されており、それぞれ規制がされています(新しいウィンドウが開きます32条の3第1項)。上限制手数料は、厚生労働省による定型的な規制の下で手数料を決定し受け取るものです。届出制手数料は、有料職業紹介事業者が厚生労働大臣に届け出た額の手数料を受け取るものです。手数料の届出に際しては、額の設定等に関し細かい規制が定められています(新しいウィンドウが開きます職安法32条の3新しいウィンドウが開きます職安法施行規則20条

また、求職者(労働者)側から手数料を受け取ることは原則として禁止されています(新しいウィンドウが開きます職安法32条の3第2項)。例外的に、芸能家、モデル、科学技術者、経営管理者、熟練技能者については、一定の上限を超えない範囲で手数料を受け取ることが可能とされています(新しいウィンドウが開きます職安法施行規則20条2項)。

関係法令・資料

職業安定法(昭和22年11月30日 法律第141号)第5条 30条 32条 33条

職業安定法施行規則(昭和22年12月29日 労働省令第12号)第20条

(成蹊大学法学部准教授 原 昌登)

2011年4月掲載