I「企業の人事戦略と労働者の就業意識に関する調査」(企業調査)
1 非正社員の雇用動向
非正社員を雇用している企業は91.1%で、非正社員比率は平均23.1%だった。比率は、設立の新しい企業ほど高い。
2 非正社員の業務 今後は、現在に比べ「正社員が行っている、判断業務を含む非定型的な業務に活用」や「正社員が行っている、高度な専門技能を要する業務に活用」などの業務で非正社員を活用するという企業割合が高い。
また、非正社員比率が高い企業の方が、非正社員を高度な業務、管理・監督的業務に従事させる割合が高い。
3 非正社員を雇用・活用する理由 非正社員を雇用・活用する理由は、「人件費節約のため」「即戦力・能力のある人材を確保するため」「景気変動に応じて雇用量を調整するため」などが高い。非正社員比率別には、非正社員の比率が高い企業では「長い営業(操業)時間に対応するため」「一日・週の中の仕事の繁閑に対応するため」などで高い。
4 非正社員の活用による影響 非正社員の活用によって生じる影響は「正社員が高度な仕事に専念できている」「労働生産性が向上している」などプラス面が大きい。一方、「ノウハウの蓄積・伝承が難しい」「職業訓練が行いにくくなっている」などマイナスの影響を指摘する割合も高い。
5 非正社員の活用上の課題 非正社員の活用上の課題は、「良質な人材の確保」「正社員との職務分担」「業務処理能力の向上」などで高い。これを非正社員比率でみると、非正社員の割合が高い企業の方が「定着性の向上」や「モラルの向上」を指摘する割合が高い。
6 能力開発
- 能力開発の対象者
能力開発の対象者を「正社員全般(非正社員は対象外)」とする割合が30.1%と依然として高いものの、「正社員全般と非正社員全般」26.8%、「正社員全般と非正社員の一部」22.9%と半数近くは非正社員を対象としている。また、非正社員を対象とする割合は、非正社員比率の高い企業や、3年前から売上が10%以上増加した企業の方が高い。
- 今後の能力開発の方針
今後の能力開発の方針は、「会社は積極的に社員の能力開発に関わる」が61.4%となっている。これを非正社員比率別にみると、非正社員がいない企業では、その割合は62.5%であるが、非正社員が60%以上の企業では71.0%と高くなっている。
7 正社員の人事制度について
- 正社員の異動周期と専門分野の範囲
5年前に比べると、正社員の異動周期は、「変わらない」が64.6%と最も多いが、「短くなった」も17.0%だった。正社員の経験する専門分野の範囲は、「変わらない」が55.9%、次いで25.5%が「広くなった」としている。
- 昇進と賃金の格差
正社員の昇進に差がつくのは、現状は「入社5年目位」が29.5%、今後の方針は「入社3年目位」が31.9%と最も高い。 「現状」と「望ましい」賃金格差を年齢層別に聞いたところ、全ての年齢層で現状よりも望ましい格差が大きくなっている。50歳代での望ましい格差は54.7ポイントだった。
8 非正社員の活用が正社員の雇用に及ぼす影響 約半数の企業で、いわゆる非正社員の活用により正社員の雇用が「減少した」としている。今後についても「減少する」とする企業の割合は増えている。
II 「企業の人事戦略と労働者の就業意識に関する調査」(就業者調査)
1 終身雇用・年功賃金制度について 終身雇用制度については、「よい制度である」とするもの(正社員39.4%、非正社員31.8%)が、「よくない制度」とするもの(正社員5.8%、非正社員6.4%)を大幅に上回っているが、年功賃金制度については、「よい制度である」とするもの(正社員14.8%、非正社員13.5%)が「よくない制度である」とするもの(正社員25.9%、非正社員24.6%)を下回っている。
2 仕事に関連する考え方 仕事に関連する考え方を正社員・非正社員の別でみると、正社員の32.1%は「賃金格差は拡大した方がよい」とするが、非正社員では19.6%にとどまり、10ポイント以上の差があった。
3 現在の就業形態を選んだ理由 現在の就業形態を選んだ理由は、正社員・非正社員とも「生活を維持するため」が最も多いが、非正社員では正社員に比べ「家庭生活や他の活動と両立しやすい」「家計補助、学費等を得るため」などが高い。
4 仕事・職場への満足度 正社員・非正社員とも、「賃金」「評価・処遇のあり方」「教育訓練・能力開発のあり方」への不満が高い。また、非正社員では正社員に比べ「雇用の安定性」への不満が高く、「労働時間・休日数」への不満が低い。
5 転職希望 転職希望者は、正社員で14.9%、非正社員で32.5%だった。転職希望理由をみると、正社員では、「賃金が低い」(38.9%)、「仕事の内容が自分の能力・適性に合わない」(30.0%)、また非正社員では、「賃金が低い」(38.0%)、「安定した仕事に就きたい」(30.3%)の順に高い。
また、何らかの不満を持っている者に限って転職希望をみると、正社員では「仕事の内容・やりがい」に、非正社員では「雇用の安定性」に不満を持っている者の転職希望割合が高くなっている。
6 正社員の処遇
- 昇進格差
昇進格差がつくことについて、6割以上は望ましいとしている。また、成果主義的な賃金体系には、反対の者は1割未満にすぎないが、「上司や管理者が正しく評価するか分からない」などの理由で、6割が「賛成だが、不安」としている。
- 賃金格差
正社員の賃金格差については、6割以上が気になるとしている。賃金格差の許容範囲(平均年収を100として<最高−最低>)を聞いたところ、各年代とも60ポイント強としている。
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