2018年8・9月の新着図書紹介|労働政策研究・研修機構(JILPT)

2018年8・9月の新着図書紹介

1.大内 伸哉他編著『解雇規制を問い直す』有斐閣

(xii+326頁,A5判)

6月4日に公表された政府の「規制改革推進に関する第3次答申」では、「解雇無効時における金銭救済制度」の法技術的な論点についての専門的な検討を継続するとしている。これを踏まえて、厚生労働省は6月12日に「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」を設置。解雇の金銭解決については、この検討会の今後の動向が注目される。こうしたなか発刊された本書では、「許されうる解雇」であっても、企業に適切な雇用終了コストを負担させて、過剰な解雇がなされないようにする必要があり、その従業員が職業人生に被る賃金面の不利益をすべて補償する「完全補償ルール」を基礎にすべきだと政策提言する。法学者と経済学者による共同研究の成果。

請求番号:366.14/kai
書誌番号:JB00110382
ISBN:9784641165212

2.初見 康行著『若年者の早期離職』中央経済社

(4+2+269頁,A5判)

本書は、いわゆる「7・5・3」問題に代表される若年者の早期離職が企業、個人、社会にとって潜在的な脅威になっているとみる。とくに大卒就職に関しては、バブル経済以降の変動を「バブル期」「ロスト期」「ポスト期」など4つに分類。バブル期は採用需要が拡大する一方、ロスト期は就職氷河期に。ポスト期は「いざなぎ景気超え」による採用再活性期を迎えたが、2008年秋には再び金融危機により新卒採用が抑制されたと指摘する。半面で、若年者の「職場の人間関係」に注目し、上司、先輩、同期との関係が早期離職に及ぼす影響を解明。その人間関係の影響を検証するために「アイデンティフィケーション」の概念を導入し、若者の就労が長続きしない要因を分析している。

請求番号:366.29/jak
書誌番号:JB00110395
ISBN:9784502261619

3.小森田 龍生著『過労自死の社会学』専修大学出版局

(x+209頁,A5判)

1990年代以降、日本社会で広く認識されるようになった過労自死(過労自殺)の特徴と発生メカニズム、社会的背景を浮き彫りにする。直近の過労自死の発生件数は、確実に増加傾向にあると分析。2013年の自死件数は177件で98年の6倍以上に相当するなど急増している。自死が労災として認定されなかったのは、戦後一貫して個人の故意による自損行為と判断されてきたことによるが、80年代に過労死への関心が高まるなか、状況に変化が発生。過労自死の労災請求が行われるようになった。そして、96年の電通事件をきっかけに過労自死問題の社会的評価が改まったという。発生メカニズムとしては「ノルマ未達成」「人間関係上の問題」が影響していることに注目している。

請求番号:366.99/kar
書誌番号:JB00110390
ISBN:9784881253243

4.博報堂キャリジョ著『働く女の腹の底』光文社

(226頁,新書判)

本書は「キャリア(職業)を持ち、お金と時間を自分のために使いやすい子供のいない女性」を「キャリジョ」と命名した。キャリジョの仕事関連の意識で最も高かったのは「仕事をがんばるためにはプライベートが大事だと思う」の83.5%。「仕事よりもプライベートを優先したい」は65.8%で続き、仕事一辺倒の生活は嫌なのがわかる。とはいえ、仕事にやる気がないわけではなく、「仕事にはやりがいが必要」「仕事を通して成長したい」との回答も7割を超えた。いまを生きる多様な働く女性の実像に迫り、仕事観、恋愛、結婚観とその背景、SNSの使い方、悩みや本音など様々な視点から解説。キャリジョを7パターンに分類し、その特徴を物語形式で明かす。

請求番号:367.1/hat
書誌番号:JB00110528
ISBN:9784334043506

(日本十進分類[NDC]順に掲載)

主な受け入れ図書

2018年5月~6月の労働図書館受け入れ図書

  1. 村林 俊行他著『有期契約社員の無期転換制度実務対応のすべて』日本加除出版(287頁,A5判)
  2. 宮本 弘暁著『労働経済学』新世社(x+274頁,A5判)
  3. 大山 泰弘著『「働く幸せ」の道:知的障がい者に導かれて』WAVE出版(191頁,四六判)
  4. 日向 咲嗣著『58歳からのハローワーク200%活用術』朝日新聞社(253頁,A5判)
  5. 今野 晴貴他著『裁量労働はなぜ危険か』岩波書店(89頁,A5判)
  6. 友弘 克幸著『よくわかる未払い残業代請求のキホン』労働調査会(8+188頁,四六判)
  7. 田村 尚子著『感情労働マネジメント』生産性出版(248頁,四六判)
  8. D.L.ブルスティン編著『キャリアを超えてワーキング心理学』白桃書房(xix+423頁,B5判)
  9. 宮崎 里司他編著『外国人看護・介護人財とサスティナビリティ』くろしお出版(ix+291頁,A5判)
  10. 白川 昌生他編『芸術と労働』水声社(236頁,A5判)