2016春闘の集中回答日は3月16日に/連合、金属労協が闘争日程を決定

(2015年12月18日 調査・解析部)

[労使]

連合は17日、2016春季生活闘争の第1回中央闘争委員会を開き、今後の進め方を協議した結果、構成組織・単組は2月末までに要求を提出し、3月末決着に向けた交渉配置を行うことなどを決めた。先行組合回答ゾーンを3月14~18日とし、大手の集中回答日となる最大のヤマ場を3月16日に設定。また、パターンセッター役となる金属労協(JCM)も同日、第1回戦術委員会の確認事項として集中回答日を3月16日とすることを決めた。

「底上げ・底支え」「格差是正」を最前面に

連合は11月27日の中央委員会で全体の「底上げ・底支え」「格差是正」を前面に打ち出した闘争方針を決定しており、これを受け、企業規模間、正規・非正規間・男女間などの格差是正を最重要課題と位置づけ、実効性ある取り組みを行う。具体的な対応として「構成組織においては、最低到達水準を確保する点検を行う。地方連合会は、連合リビングウェイジに基づく最低到達水準、および地域ミニマム運動に基づく地域の職種別賃金相場を広く開示し、地場の賃金相場の社会的波及を進める」としている。

社会対話の促進として、経済同友会(12月11日)や経団連(1月下旬予定)とのトップ懇談会などを通じて労働側の主張を明確にする。また、「STOP THE 格差社会、暮らしの底上げキャンペーン」として実施してきた諸活動を、「クラシノソコアゲ・応援団 2016 RENGOキャンペーン」として展開し、広く社会に向けてアピールする。

産業・規模間格差是正の運動強化のために従来から設置している部門別共闘連絡会議も第1回の書記長・事務局長会議を開き、「これまでの春季生活闘争が果たしてきた日本全体の賃金決定メカニズムを活かしつつ、大手追従・大手準拠の構造からの転換に挑戦し、地場の中小企業で働く人々、非正規雇用で働く人々、労働組合のない職場で働く人々の処遇改善により光を当てた取り組みを強化する」ことを確認。より主体的な闘争を進めるために、「中核組合」「先行組合」「中堅・中小組合」の確認を早期(1月中)に行い、「中核組合の賃金カーブ維持分・賃金水準」および「代表銘柄・中堅銘柄」の早期開示をはかるとしている。

そのうえで、要求提出と回答引き出しに向けた交渉配置について、構成組織・単組は2月末までに要求を提出し、3月末決着に向けて交渉を展開。闘争のヤマ場は、第1先行組合回答ゾーンを3月14日~18日(最大のヤマ場:3月16日)、第2先行組合回答ゾーンを3月22日~25日とした。

記者会見では中小・非正規の底上げ・底支えを最重視した交渉展開を展望していることから、「3月16日の数字を持って相場が形成されるとの見方はしないで欲しい。非正規雇用については正規への転換、有期から無期への転換などを検討してもらいたい。産別には人手不足の中で人材を確保するための検討を個別にしてもらい、2月中旬には公表していきたい。」(須田孝・総合労働局長)などと説明した。

金属労協も「格差是正」を最重要課題に

自動車、電機などの金属関係産別でつくる金属労協の確認事項ではJC共闘 が一枚岩となって3,000円以上の賃上げに取り組み、「人への投資」、「家計の改善」を通じたデフレ脱却と「経済の好循環」を目指す。とくに、「底上げ」「格差是正」を最重要課題と位置づける。具体的な対応としては、「賃上げ獲得組合の拡大、積極的な賃金格差是正」「基幹労働者の個別賃金重視による水準形成」「企業内最低賃金の全組合締結と水準引き上げ」「特定(産業別)最低賃金の取り組み強化」「非正規労働者の社員へ登用促進、賃上げ諸条件改善」の実現に向け、 強力に取り組むとしている。

日程配置では、集計登録組合を中心に2月24日までに要求を提出し、ただちに交渉を開始。JC共闘の集中回答日は連合方針を踏まえ3月16日とした。

また、全労連や純中立組合でつくる国民春闘共闘委員会の闘争方針案も「集中回答日(3月16日で調整)を例年以上に重視し、集中回答日翌日(3月17日で調整)の統一行動を最大の山場に位置づける」などとしている。