100ユニオン、3万人のネットワーク目指す/コミュニティ・ユニオン全国交流集会

(2015年9月30日 調査・解析部)

[労使]

地域をベースに中小零細企業で働く労働者や非正規労働者、外国人労働者などを組織化している、全国74のコミュニティ・ユニオンでつくるコミュニティ・ユニオン全国ネットワーク(約2万人)は9月26、27の両日、愛知県刈谷市で「第27回コミュニティ・ユニオン全国交流集会」を開き、①労働分野の規制緩和阻止と公正なワークルールの確立②セイフティネットを構築する社会的労働運動の展開③ネットワークの拡大・強化――などを柱とする2016年度活動方針を決めた。

「ワークルールの確立」を強調

岡本哲文事務局長は方針提案の中で、「雇用と平和、憲法と民主主義を守る闘いを展開しよう。組合をつくったための解雇も金銭で解決できるのでは、団結権の侵害だ。雇用の直接雇用原則、同一価値労働同一賃金原則を社会的に確立しよう」と強調。ネットワークの拡大・強化について、「100ユニオン、3万人のネットワークづくりを目指す」とした。

方針は、ワークルールの確立について、「有期雇用拡大、派遣の無制限な自由化、『解雇自由』の法改悪を許さない、労働者保護のための法制度再構築をめざす運動を地域の労働組合とともに全国で組織する」としており、「各地の労働局、労働基準監督署、職業安定所、自治体労働・福祉行政の施策や対応を注視し、労働者の権利が守られるように、申し入れ・交渉に取り組むととともに、地域でつかんだ労働現場の実態を集約して要求をまとめ、12月には厚生労働省との交渉に臨む」考えだ。

セイフティネットを構築する社会的労働運動の展開については、「最賃全国どこでも今すぐ1,000円に!生活できる賃金を!」キャンペーンの展開や、不合理な労働条件を禁止する労働契約法20条を活用した均等待遇を求める闘いなどを提起。また、「いつでもだれでも時給1,200円以上」の実現とともに、公契約条例の制定やリビング・ウエイジの確立を目指すとしている。

連合や産別など幅広い組織との連携を推進

組織強化・拡大については、「全国ネット加盟組織のない15県(青森、宮城、福島、群馬、埼玉、石川、福井、滋賀、島根、山口、徳島、高地、佐賀、長崎、沖縄)でのユニオンづくりや、既存ユニオンの加盟促進で、100ユニオン・3万人組織を目指す」としている。

また方針は、幅広い組織との連携をうたっており、「連合や全国ユニオン、自治労などの産別との連携」とともに「労働弁護団、全国安全センター、移住労働者全国ネットなどとのネットワーキングも進める」としている。

組織強化では、問題解決能力の向上も掲げられており、(首都圏のユニオンでつくる)首都圏ネットの協力による企業本社での行動配置や、近隣ユニオンで支援し合うネットワーク機能の強化とともに、各地の労働委員会の活用をサポートする体制を充実させるとしている。

採択された特別決議では、「職場、地域、全国での反対の声をあげ、労働組合のみならず社会的連帯の輪を広げ、労基法改悪、解雇の金銭解決制度づくりを全力で阻止しよう。人間らしく働き生活できる労働法制の実現に向けて奮闘しよう」などとしている。