賃金改善分の獲得額平均は1,715円/自動車総連加盟組合の回答状況(2015年4月3日現在)

(2015年4月8日 調査・解析部)

[労使]

自動車総連(相原康伸会長)は3日、今次労使交渉の同日9時現在の要求・回答状況を発表した。賃金については、要求を提出した1,114単組の41.9%にあたる467単組が妥結しており、うち、賃金改善分を獲得したのは400単組。賃金改善分の獲得額平均は1,715円で、前年同期の実績を554円上回っている。獲得額を規模別にみると、すべての規模で前年同期を上回っているという。

獲得額は前年同期比554円増

賃金については、今回の交渉では1,114単組が要求しており、そのうち賃金改善分を要求したのは1,078単組。賃金改善分の要求額の単純平均は5,879円となっている。賃金改善分の要求額平均を業種別にみると、「メーカー」6,000円(改善分の要求単組数:13)、「車体・部品」5,643円(同:381)、「販売」6,077円(同:581)、「輸送」5,300円(同:28)、「一般」5,702円(同:75)。

回答状況をみると、妥結単組数は467で、うち400単組が賃金改善分を獲得。獲得金額の平均は1,715円で、前年同期比で554円のアップとなっている。獲得単組数は前年同期実績よりも24多い。

すべての業種・規模で前年実績を上回る

業種別に獲得額をみていくと、「メーカー」3,000円(獲得単組数:13)、「車体・部品」1,506円(同:254)、「販売」1,958円(同:87)、「輸送」1,924円(同:10)、「一般」2,091円(同:36)となっており、すべての業種で前年同期実績(メーカー1,785円、車体・部品1,022円、販売1,467円、輸送1,699円、一般1,467円)を上回っている。

企業規模別にみると、要求額の単純平均は、「3,000人以上」が6,006円(改善分の要求単組数:33)、「1,000~2,999人」が6,052円(同:69)、「500~999人」が5,969円(同:123)、「300~499人」が6,063円(同:134)、「300人未満」が5,806円(同:719)。

これに対する回答状況は、「3,000人以上」が2,710円(改善分の要求単組数:31)、「1,000~2,999人」が1,582円(同:54)、「500~999人」が1,644円(同:65)、「300~499人」が1,748円(同:73)、「300人未満」が1,594円(同:177)で、企業規模でもすべての区分で前年同期実績(3,000人以上1,607円、1,000~2,999人1,166円、500~999人1,103円、300~499人1,059円、300人未満1,172円)を上回っている。

「底上げ・底支えの状況ができつつある」(相原会長)

同日、都内の本部で会見した相原会長は、「賃金改善の波は昨年以上に広がりをみせている」と述べるとともに、ここまで獲得した賃金改善分の水準について「昨年よりも大きな歩幅で2歩目を踏み出した。底上げ・底支えの状況ができつつある。(3月18日のヤマ場に回答を引き出した)拡大戦術会議登録組合の回答結果がそれ以外の組合に対して、広く、プラスの波及効果を生み出している」などと評価した。