来賓の政府代表、経団連も賃金の改善に言及/連合の新年交歓会

(2014年1月8日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は6日、都内のホテルで新年交歓会を開催した。古賀会長は、2014春季生活闘争について、「徹底的に月例賃金にこだわる」などと挨拶のなかで述べた。政府からは菅内閣官房長官、経団連からは経営労働政策委員会委員長でもある宮原副会長が出席し、来賓挨拶した。

写真:連合の新年交歓会

「徹底的に月例賃金にこだわる」(古賀会長)

古賀会長は2014春季生活闘争について、「デフレの長いトンネルを抜け出し、新しい経済・社会のサイクルを回さないといけない。そのために、連合は2014闘争において徹底的に月例賃金にこだわり、非正規労働者も含めすべての働く者の底上げ、格差是正に粘り強く取り組む」と強調。経営側に対しては、「今こそ短期利益追求の合成の誤謬が生んだこのデフレを脱却し、人への投資に大きく舵を切ることを要望する。そのうえで、ワークライフバランスの実現や、若者・女性が活躍できる環境整備、様々なセーフティーネットなど働くことを軸とした安心社会の実現に向けて、新しい雇用を再構築する契機としなければならない」と訴えた。

「収益を雇用・賃金の改善に」と会員に呼びかける(宮原経団連副会長)

経団連の宮原耕治副会長(日本郵船会長)は、「アベノミクス効果で日本経済は久しぶりに明るさを取り戻してきた。このなか、収益が上がった企業は収益の改善を設備投資や研究開発に回すだけでなく、雇用や賃金の改善といった人的投資にもつなげ、それで消費を刺激し、経済を活性化させ好循環をつくる。それでデフレ脱却と日本経済の再生という大きな目標をつくっていこうと、昨年暮れに政労使会議で合意した。経団連としてもこのことを会員企業にしっかりと伝え、呼びかけていく」と述べた。

政労使合意受け、「賃金上昇、下請適正化を実現する」(菅官房長官)

政府を代表して挨拶した菅義偉内閣官房長官は、「今年も最優先は日本経済の再生だ」としたうえで、「アベノミクスと言われる3本の矢を一体的に推進して、日本経済は着実に回復基調にある。その結果として、国民の生活にとってきわめて大事な公的年金の運用益が政権交代から今日に至るまで20兆円に達しようとしている。企業年金も極めて厳しい財政状況が明らかに好転している。今年も自信を持ってこの経済政策に全力をあげて取り組む」と、ここまでの経済政策面での成果を強調。さらに、「企業収益も拡大している。女性・若者の雇用を拡大し、働く皆さんの収入の増加につなげ、それが消費につながり、再投資につながるという経済の好循環をしっかりと確立していきたい。古賀会長にも協力してもらい、政府、労働界、経済界が連携して、賃金の上昇さらには下請けの適正化に取り組むということで共通点を見出すことができた。われわれもこうしたことをしっかりと推進していく」と述べた。