ベア分として3,700円を統一要求へ/私鉄総連が賃上げ要求方針案を提起

(2013年12月6日 調査・解析部)

[労使]

私鉄、バス、ハイタクなどの組合でつくる私鉄総連(藤井一也委員長・11万4,000人)は5日、都内で中央委員会を開き、2014春闘の方針案策定のための職場討議案を提起した。鉄道・バス関係では、定昇相当分2.0%に加え、物価の上昇や生活向上分などを含めたベースアップ分として3,700円を産別統一要求する案を示した。

藤井委員長は冒頭のあいさつで、「大手私鉄の企業業績は上方修正され、要求にこたえる体力がある。水準の底上げを目指して取り組んでほしい」と要望した。討議案によると、「軌道・バス」組合の月例賃金の統一要求として、定昇相当分(賃金カーブ維持分)2.0%にプラスし、生活維持分+生活回復・向上分(ベア分)として3,700円を掲げた。

定昇相当分が2.0%を超える組合については、現行の定昇を堅持したうえで、3,700円を求める。「生活維持分」については、4~9月の物価上昇分を0.3%相当とし、そのうえで「生活回復・向上分」については、「生活水準全体の引き上げや、組合員が安定運行、サービス向上に向け努力している証など」を要求するためのものであるとして、1%相当を求める。

ボーナスにあたる年間臨時給要求としては、「年間5カ月分」を基本目標におく。

一方、契約・嘱託・パートタイム労働などの非正規労働者に関しては、時間給の引き上げとして「1時間50円以上」を基本に改善を求める。また、産業別最低賃金の要求として「2013年の地域別最低賃金+10%」を設定している。

賃金、臨時給、産別最低賃金(スト権確立投票の対象)を統一要求とし、2月4日の開催予定の拡大中央委員会で、闘争方針を決定した上で、一斉に要求書を提出。経営者団体である民鉄協およびバス協会に対しては、昨年同様に「回答指定日時を厳守し、誠意ある交渉・回答」を申し入れる予定だ。

なお、昨年の2013春闘で私鉄総連は2,500円のベアを要求したが、ゼロ回答に終わっている。