組織の拡大を最重点課題に/フード連合の運動方針

(2013年9月11日 調査・解析部)

[労使]

食品関係の組合でつくるフード連合(10.7万人)は9、10の両日、東京都内で第12回定期大会を開き、13~14年度の運動方針を決めた。食品関連産業で働く労働者は120万人を超えるといわれるなか、2年前に決めた「11万フード連合」が達成できなかったこともあり、新運動方針では改めて組織拡大を最重点課題とした。役員改選があり新会長に松谷和重・会長代行(敷島製パン)が就任した。

「連合は来春闘に向け個別労使が取り組みやすい環境づくりに力の発揮を」

冒頭の挨拶で江森孝至会長は今月中にも開催される見通しの政府の呼びかけによる政労使の話し合いの場における連合の役割について言及し、「すべての労働者の代表として正々堂々と労働側の主張を行うべきだ」と要望。そのうえで、「今春闘でも日銀の委員が2%の物価上昇の実現のためには4%の賃上げが必要だと主張していた。例えば、アベノミクスが掲げている2%のインフレ目標のためには、4%以上の賃上げ目標が必要であること等が社会的に発信できれば、来春闘は大きく様変わりする可能性が出てくる」と述べ、連合に対して「個別労使が春闘に取り組みやすい環境づくりのために、力を発揮していただきたい」と求めた。

大会に先駆けて中央執行委員会で確認した「賃金ビジョン」では、食品労働者の賃金水準が相対的に低位におかれていることから、「めざすべき賃金」の考え方のほか、中長期にめざすべき「目標水準」(大卒35歳・基本賃金34万7,000円等)及びすべての組合がクリアすべき「到達水準」(大卒35歳・基本賃金31万4,000円等)などを示した。来春闘ではこの賃金ビジョンに則った初の取り組みとなる。

最重要課題とした、組織拡大に向けては本部内に「組織拡大推進チーム」を設置して、単組・業種別部会などが一体となり、パート労働者や再雇用者、またグループ企業といった身近な対象から具体的なアプローチを強化する考えだ。

役員改選があり、江森氏の後任に松谷和重会長代行(敷島製パン)が会長に選出され、山本健二事務局長(ニチレイ)は再任された。