GW期間に第84回メーデーが全国各地で開催

(2013年4月26日 調査・解析部)

[労使]

84回目を迎える労働者の祭典・メーデーがゴールデンウイーク期間中に全国各地で開催される。このうち東京で行われる中央メーデーは、連合系が27日、全労連系が5月1日にそれぞれ代々木公園で開催、全労協系も1日に「日比谷メーデー」(日比谷野外音楽堂)を開く。

すべての働く仲間が結集してディーセント・ワークを訴え/連合系のメーデー中央大会

連合(古賀伸明会長、約680万人)などは4月27日土曜日に、東京・代々木公園で第84回メーデー中央大会を開催する。3万人程度の参加を見込む。今回のスローガンは、「メーデーは働く人たちが主役。声をひとつに仲間を集めて、安心して暮らせる未来をみんなでつくろう!」。式典では、非正規労働者を含めすべての働く仲間を結集させ、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)などを訴える。

今回の中央メーデーは、労働組合だけでなく、NGO(非政府組織)やNPO(非営利組織)などの団体の参加を通じてすべての働く仲間が共感しあえる機会となることをめざし、会場では、「働く仲間が一体となる」企画を盛り込む。組合員の家族を含めた参加型のイベントを用意し、NGO・NPOと連携して一体感を醸成したいとしている。

昨年実施した就職活動中の学生と意見交換、相談にのるイベントを今年も行う。今回のイベント名は、「就活応援cafe in メーデー2013~『働く』ことのホントの話」。学生5~6人と連合組合員である先輩社会人2~3人の小グループに分かれ、カフェのような雰囲気のなかで、「働くこと」をテーマに意見交換し、学生の職業観の醸成を図ることも狙う。

式典の前には、3コースに分かれて結集デモも行う。3コース合わせて、約1万2,000人の参加を見込む。式典では、政府等の来賓あいさつのほかに、NGO―労働組合国際協働フォーラム国際協力NGOセンター(JANIC)からの連帯あいさつや、非正規労働者からの訴え、達増拓也岩手県知事による東日本大震災被災地からの代表アピールを予定している。

メーデー宣言には、東日本大震災の被災地の復興と再生に全力をつくすことや、ディーセント・ワークの実現など働く者・生活者の立場からの政策の実現を強く求めること、集団的労使関係をあらゆる職場で確立していくために労組の社会的意義を積極的にアピールし、連帯を強化していくことや、メーデーが国際連帯の日であることから、世界の貧困の撲滅なども盛り込まれる予定だ。

また、連合が、労働関連の規制緩和を阻止することや、最低賃金引上げ・セーフティーネット整備などを通じての社会の底上げなどを訴える「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」キャンペーンの一環として、式典のなかで特別決議を採択する。

なお、連合系のメーデーは全国349カ所で開催が予定されている。

消費税増税反対・TPP参加阻止などを求める/全労連系メーデー

一方、全労連系の第84回中央メーデーは5月1日に東京・代々木公園で開催される。「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」を基本スローガンに掲げ、消費税増税反対、原発ゼロなどを訴える。約4万人の参加を見込む。

今回のメーデーは、くらしと雇用を守り、憲法がいきる安全・安心社会の実現をめざすメーデーと位置づける。安倍内閣が高支持率を背景に、構造改革や新自由主義路線への回帰を強めるなか、「アベノミクス」による労働者・国民への負担増、解雇自由化などの「労働ビックバン」が検討されるなか、職場・地域からたたかいの強化にむけた労働者決起の場とする。

メーンスローガンには、「大企業の内部留保還元、賃上げ、安定した雇用と仕事の確保」「消費税増税・TPP参加阻止。社会保障拡充の安心社会へ」「震災の早期復興、原発ゼロ」「憲法改悪・戦争する国づくり反対」などを掲げ、メーデー宣言には、「すべての労働者の賃上げと長時間労働の是正、安定した雇用と仕事の確保、中小企業支援、社会保障拡充、震災の早期復興、原発ゼロ、憲法改悪阻止」などが盛り込まれる予定だ。

なお、全労連系のメーデーは、中央を含め全国322カ所で開催し、17万人の参加を見込む。昨年に続き、長野県内の2カ所(飯山・中野、須坂)では連合系との統一メーデーとなる見通しだ。

震災復興、脱原発、格差是正などをアピール/全労協系メーデー

全労協系の「第84回日比谷メーデー」は5月1日、東京・日比谷の野外音楽堂で開催する。メーンスローガンは、「働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう」。メーデーを「闘いの広場」と位置づけ、震災復興や脱原発、格差是正、TPP反対、平和と民主主義擁護などを強くアピールする。