111組合が単純平均5,738円、2.03%で妥結/UIゼンセン同盟

(2012年03月21日 調査・解析部)

[労使]

民間最大産別のUIゼンセン同盟(落合清四会長、約111万5,800人)の2012春闘(労働条件闘争・統一賃闘)は、先行(A)グループが13・14日にヤマ場を迎え、15日午前10時時点で111組合が妥結。パート等短時間組合員の賃上げも23組合で妥結している。

111組合の妥結額でベア等賃金改善分は329円(0.13%)

今春闘で、UIゼンセン同盟は「格差是正を中心に労働者への分配として1%程度の賃上げ」を目指し、 (X)賃金体系維持分を確保した上で、格差是正分として一人平均1%基準・少なくとも1,500円以上(Y)賃金体系が不明確な場合は賃金体系維持分の社会的水準に格差是正を含めて一人平均6,000円以上 ――などとする要求方針を据えて交渉に臨んでいる(詳細は注)。

2012統一賃闘の参加組合は、1,709組合(及びクラフト・ゼネラル47分会)で、このうち15日午前10時時点で111組合が妥結。一人平均(単純平均)の妥結額は、昨年の同組合実績を247円上回る5,738円(2.03%)、うちベースアップ等(手当改定、体系是正含む)賃金改善分は、329円(0.13%)となっている。

個別組合の妥結結果をみると、流通部会のSSUAメガネトップ労組(Y)で6,797円(2.63%)(うち賃金体系維持原資4,997円(1.94%)、賃上げ分(ベア)1,800円(0.7%))、フード・サービス部会のサイゼリヤユニオン(Y)で一人平均6,500円(2.38%)(うち賃金体系維持原資5,500円(2.01%)、賃上げ分(ベア)1,000円(0.37%))、生活・総合産業部会の富士薬品ユニオン(Y)で一人平均6,140円(2.89%)(うち賃金体系維持原資5,627円(2.65%)、賃上げ分(手当改定)513円(0.24%))。また、繊維関連部会のダイドーグループユニオン(Y)で一人平均5,442円(2.0%)、化学部会の神戸医師協同組合労組(Y)で一人平均5,700円(2.01%)、地方部会の関東労組合同資源産業(Y)で一人平均7,688円(2.99%)――などとなっている。

パート等短時間組合員については23組合が17.1円(1.9%)で妥結

一方、組合員の48%(53.5万人)を占めるパート等短時間組合員の時間給の引上げについては、正社員との職務や人材活用の仕組み・運用等の異同に応じ40~20円を目安に要求しているが、15日午前10時現在で23組合(流通部会14組合、フード・サービス部会3組合、生活・総合産業部会6組合)が妥結。妥結額は加重平均で17.1円(1.9%)となっており、昨年を1.8円上回っている。

個別組合の妥結結果上位をみると、タイプB(正社員と職務は同じだが人材活用の仕組み・運用が違う)の短時間組合員については、流通部会のイオン労連イオン保険サービスが74.2円、フード・サービス部会のイオン労連オリジン東秀が45.2円、生活・総合産業部会のイオンクレジットサービスが32.9円など。タイプC(正社員とは職務も人材活用の仕組み・運用も違う)の短時間組合員については、流通部会のイオン労連イオン保険サービスで30.81円、生活・総合産業部会のダイナムで25.0円などとなっている。

今後、(B)グループが21日、(C)グループが29日にヤマ場を迎え、(D)グループは4月1日以降の早期解決を目指す。

▽注)統一賃闘方針を決定、65歳定年制の実現も提起/UIゼンセン同盟中央委員会/メールマガジン労働情報 No.788(2012年01月27日)