定昇込みの平均賃上げ5,070円(1.75%)に/連合の第5回集計

(2011年5月18日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は5月12日、2011春闘の「第5回 回答・妥結集計」を公表した。5月10日時点で集約した2,993組合のうち、平均賃金方式で回答を引き出した2,501組合の定期昇給込みの平均賃上げ額は加重平均で5,070円だった。

年間一時金は平均4.70カ月

連合の集計によると、5月10日時点で回答を引き出したのは2,993組合(組合員数177万8,894人)。このうち、平均賃金方式で交渉した2,501組合(同151万6,247人)の定期昇給を含む賃金引き上げの平均額は5,070円、率で1.75%だった。昨年同時期(2010年5月10日集計)の回答内容に比べ額で97円、率で0.04ポイント高い。昨年と比較できる同一組合(1,925組合)でみると、平均賃上げ額は5,069円(1.75%)で、昨年実績(5,061円、1.74%)を59円上回った。連合が春闘要求の柱の一つとして掲げた賃金カーブ維持分の目安である5,000円をクリアしている。

一方、年間一時金の平均回答月数は4.70カ月(1,528組合)。昨年と比較できる同一組合との対比では、前年実績を0.28カ月上回った。また、額回答を受けた828組合の加重平均は148万8,160円で昨年より12万9,832円増となっている。

300人未満の中小労組の平均賃上げ3,847円/中小共闘

連合の中小労働委員会の妥結集計によると、5月10日までに報告のあった中小共闘に参加する1,391組合の賃上げ額は単純平均(定昇含む)で4,071円(1.64%)。昨年同時期の同一組合との比較では額で224円、率も0.09ポイント増だった。これを一昨年から設けられた5つの共闘連絡会別にみると、金属が4,107円(前年同期対比285円増)、化学・食品・製造等が4,138円(同244円増)、流通・サービス・金融4,274円(同87円減)、インフラ・公益3,733円(同62円減)、交通・運輸1,943円(同43円減)となっている。

パートの時給引き上げ額は10.43円(272組合)

なお、パート労働者等の待遇改善の取り組みに関しては、時間給の引き上げで妥結したのは272組合(昨年同時期215組合)。妥結額は10.43円で、昨年同時期の11.73円を1.30円下回っている。