単純平均の賃上げ5,515円、1.79%に/国民春闘共闘(第3回集計)

(2011年4月13日 調査・解析部)

[労使]

全労連が中心となってつくる国民春闘共闘が4月7日現在で発表した回答集計(第3回集計)によると、有額回答を引き出した213組合の賃金引き上げ額(単純平均)は5,515円(1.79%)で、前年同期比235円増(0.09ポイント増)となった。加重平均額は5,539円(1.84%)で、前年同期比128円減(0.01ポイント増)となっている。

第3回賃上げ集計(4月7日現在)によると、登録810組合のうち有額回答を引き出したのは26.3%にあたる213組合。昨年同時期(31.7%)と比べ、東日本大震災などの影響で回答引き出しが若干遅れている。回答引き出し213組合のうち前年妥結実績額を上回っているのは119組合(55.7%)で、昨年同期よりも割合で若干上回っている(7.3ポイント増)。

同共闘は、単純平均、加重平均とも率で昨年同期を上回る一方、加重平均額で前年同期比マイナスとなっている状況について、「回答引き出し組合の過半数が前年妥結額以上を獲得。とくに規模別で、(300人未満の)中小組合が検討している」と分析している。一方、「ベアゼロ」「定昇凍結」など数字にならない回答も70組合あり、同共闘は「大震災を口実とした安易な賃下げやリストラを許さない取り組みの強化がいっそう重要となる」と強調している。

パートタイム労働者など非正規労働者の賃上げについては、時間給の引き上げを獲得した76組合の単純平均で8.8円となっており、昨年同期(123組合、16.5円)を下回っている。

今春の賃上げ交渉で同共闘は、「誰でも時給100円、月額1万円以上の賃金引き上げ」を統一方針に掲げていた。今後、4月14日を第2次集中回答日とし、翌15日に全国統一行動を設定して、交渉を追い上げるとしている。