自動車大手メーカー組合が要求書提出/一時金は昨年実績以上を要求

(2011年2月18日 調査・解析部)

[労使]

トヨタ、日産、ホンダなどの自動車大手メーカーの労働組合は16日、経営側に対して、今春交渉の要求書を一斉に提出した。連合や自動車総連の方針を踏まえ、ほとんどの組合がベースアップを見送り、定期昇給などの賃金カーブ維持分の確保を前提としている。一方、企業業績の回復を踏まえ、三菱自工を除くすべての組合が昨年獲得実績以上の5カ月超の年間一時金要求で足並みをそろえた。回答指定日は3月16日に設定している。

各組合の一時金要求をみると、トヨタが昨年獲得実績に1万円積み増した5カ月プラス7万円を要求。日産も同0.5カ月積み増しの5.5カ月、ホンダが0.2カ月増の5.9カ月、マツダが0.56カ月増の5カ月、スズキが0.5カ月増の5.3カ月などとなっている。

賃上げ要求については、大半の組合がベア要求を2年連続で見送ったが、定昇制度のない日産は昨年、回答があった平均賃金改定原資(6,200円)に800円積み増した7,000円を要求。さらにメーカー労組主体の拡大戦術会議登録組合にエントリーした日本発条は賃金改善分1,000円を含む7,100円を要求している。

「賃金改善要求」が400組合以上に

同日の要求提出を受けて記者会見した自動車総連の西原浩一郎会長は、大手メーカー組合の年間一時金の増額要求について、「昨年の平均妥結月数4.48カ月に対して、今回の要求は平均で5.16カ月となった」と評価。また、日本発条以外でも、車体・部品、販売関係を中心に賃金改善要求を予定している組合が400半ばに達し、さらに増加が見込めることから、「業種間、規模間の格差など、主体的に自社の課題を踏まえて、賃金改善要求する根拠は明確にある」と強調した。