介護クラフトユニオンが支援集会を開催/グループ企業内で労使対立

(2010年12月24日 調査・解析部)

[労使]

UIゼンセン同盟傘下の日本介護クラフトユニオン(NCCU、約6万人、二宮利夫会長)は21日、群馬県・高崎駅前で、8月に新たに結成した「NCCUベルジグループ分会」の支援集会を開催するとともに、同社で働く組合員・従業員の実態について街頭で訴えた。

「NCCUベルジグループ分会」は、社会福祉法人ほたか会を中心に、群馬県内で広く介護事業を展開しているグループ企業(1,000人規模)に働く、個別労働者からの相談をきっかけに、8月に結成されたもの。同分会をめぐっては、組合側が9月初め、労組結成通知書を提出し、各事業所で組合員の勧誘活動をスタートさせたものの、会社側が組合加入者の調査や、ビラの受取り監視等を行ったことから対立。さらに、組合側がこれに抗議する街宣活動を行うと、会社側がその禁止を求め、前橋地裁に仮処分を申請(10月に決定)したことから対立は激化した。この間、団体交渉が2回行われたが、3回目の開催については、組合員個人の委任状等が要件だとする会社側に、個人攻撃を避けたい組合側との間で、膠着状態に陥っている経緯がある。

こうしたなか開かれた、同日の集会では、「終業時刻後まで仕事が長引いても、後片付けや掃除・翌日の準備作業等が必要でも、タイムカード(記録上)は所定時間に押すよう求められる」「タイムカードが設置されていない職場では、仕事時間の実態を記録しようがないばかりか、時間外労働は自己申告制とされている」「病気以外は有給休暇が申請できないばかりか、特別休暇が有給休暇取得として処理されるようになった」――など、職場の現状を訴えた。

NCCUでは、「不当労働行為は組合として受容できないばかりか、同社のサービス残業やパワハラの実態は、介護労働者全体の処遇・労働条件に係わる問題として看過できない。介護労働者全体の課題として、さらなる結集を呼び掛けつつ、粘り強く向き合ってゆきたい」(染川朗・組織部長)としている。