政治活動と労働運動の連動の浸透を/連合会長、参院選で見解

(2010年7月14日 調査・解析部)

[労使]

 

連合(古賀伸明会長)は12日、民主党が敗北した第22回参議院議員選挙の結果を受けて記者会見を開いた。古賀会長は、組織内候補の候補者名での得票数が前回の182万票から159万票と大幅に減少したことを指摘し、「政治活動と組合活動が連動したものであることを構成組織、組合員に改めて浸透する必要がある」などと述べた。

一丸となって困難を乗り越え、真の政権与党に

古賀会長は、「今回の選挙は、昨年の政権交代を果たした衆院選と同等、もしくはそれ以上の重さと意義があった。新しい政治が幕を開けた。この参院選で勝利して土台を作り、本格的に新たな社会づくりをしていかねばならない。その重要な意義と位置づけがあった選挙だった。連合としても、全国各地で推薦候補、組織内候補の当選に向けて懸命に努力してきたが、極めて残念でならない」などと説明。その一方で民主党に対し、「比例区の得票数では自民党を上回っており、国民全体がすべて政権与党の民主党に反対投票したわけではない。しかし、全体の結果は大きく敗北したことに間違いないので、民主党には、この困難を一丸となって乗り越えて、真の政権与党になっていくことを要望したい」と述べ、挙党一致を訴えた。

連合会見/メールマガジン労働情報:労使記事(2010/7/14)/独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)

国民の生活や将来不安を払拭する国会運営を

今後の国会運営に関しては、「国会運営そのものも極めて難局に立たされる状況になっていく。与野党問わず、国民・生活者の視点に立った政策をどう出していくかが求められる。雇用、景気、社会保障の問題など山積する政策課題に対し、真摯に政策協議を行っていくなかで、国民の生活や将来不安を払拭する国会運営を与野党に期待したい」と要望した。

政治活動と労働運動の密接さを浸透させる必要も

一方、連合の選挙への関わり方についても触れ、「比例代表に組織内候補11人が立候補して闘った。前回、前々回と全員当選を果たしてきたが、残念ながら今回は1人落選した。(候補者の)名前の入った票が前回と比べて低下したことも含め、政治活動と労働運動の密接さ、組合活動が連動したものであるということを、構成組織、組合員に改めて浸透する必要がある」との考えを示した。

なお、連合は同日、「さらに密接な連携・協議を行いながら、『希望と安心の社会づくり』に向けて、今後も民主党政権を全面的に支援していく」などとする南雲弘行事務局長の談話を発表している。