全労連系委員がはじめて誕生/中央労働委員会・労働委員に

(調査・解析部)

[労使]

全労連などで構成する「全国労働委員会民主化対策会議」が推薦する淀房子氏(全日本国立医療労働組合・前副委員長)が16日、麻生太郎首相から中央労働委員会の労働者委員に任命された。全労連系の委員が任命されるのははじめて。

中央労働委員会の委員は公労使の三者構成で、学識経験者による公益委員、労働組合が推薦する労働者委員、使用者団体が推薦の使用者委員、それぞれ15人が任命される。労働側の委員については、1989年の連合(675万人・08年労働組合基礎調査)、全労連(91万1,000人・同)の発足以降、連合系の委員で占められてきた。全労連は2001年には組合差別だとして、国際労働機関(ILO)に提訴している。今回は、全国労働委員会民主化対策会議が、新聞労連特別顧問の水久保文明氏(民間企業担当)と、淀氏(特定独立法人担当)の2人を候補として推薦していた。

同対策会議が18日に都内で開いた2008年度総会の席上、根本隆議長(全労連副議長)は、「はじめて非連合からの労働委員が任命される歴史的・画期的出来事を経験できた。そうはいっても、独法関係で一人しか獲得できず、民間担当は相変わらず排除されている。運動は一つの峰に到達したが、さらに大きく飛躍させねばならない」などとあいさつした。

淀新委員は「私たち(委員)の立場は、労働者がちゃんとやっていけるようにすることが役目。組合に組織されていない労働者も含め、(今回の自身の就任で)もっと働きやすい職場になる起爆剤になればと思う」などと意欲を述べた。

淀氏以外の新任の中央労働委員会委員は次の通り

▽公益委員:弁護士 板沢葉子、慶大大学院教授 春日偉知郎、法政大大学院教授 諏訪康雄、東大社会科学研究所教授 仁田道夫、弁護士 藤重由美子

▽使用者委員:郵便局会社監査役 斎尾親徳、元津田塾会常任理事 佐藤洋子、三菱重工業人事部顧問 島野佳伸、日本ウジミナス監査役 染森宣雄、元独立行政法人環境再生保全機構理事長 田中健次、日立製作所顧問 宗岡広太郎

▽労働者委員:全日本海員組合副組合長 大内教正、日本郵政グループ労働者共済生活協同組合理事長 菰田義憲、電力総連特別執行委員 鈴木登、連合総合労働局長 長谷川裕子、電気通信産業労働者共済生活協同組合理事長 森嶋正治、連合副事務局長 山口洋子、私鉄総連委員長 渡辺幸一