セクハラ・パワハラの訴えが増加/働く人の電話相談室集計

(2008年10月15日 調査・解析部)

[動向]

日本産業カウンセラー協会と連合はこのほど、「働く人の電話相談室」に寄せられた相談結果を公表した。「職場の問題」に関する相談が全体の約3割を占め、そのうち「セクハラ・パワハラ」に関する相談が23%で最多だった。同協会の原康長・事務局長は、「働く人を巡る基本的な権利が危うい状況にあるなか、大変な問題が生じている実態が明らかになった」などとコメントしている。

「電話相談室」は、「世界自殺予防デー」に合わせ、日本産業カウンセラー協会と連合が昨年から実施しているもの。9月10日から3日間、同協会に所属する産業カウンセラーが、仕事の悩みなどの相談に応じた。

今年の相談件数は535件で、昨年(430件)を105件上回った。相談内用で最も多かったのは、「職場の問題」で全体の30.1%。次いで、「自分自身のこと」(16.3%)、「メンタル不調・病気」(15.0%)、「家庭の問題」(12.7%)などが続く。

このうち、「職場の問題」に関する相談内訳は、「セクハラ・パワハラ」が23.0%でトップ。以下、「仕事のこと」(20.5%)、「人間関係」(20.5%)、「労働条件」(16.8%)、「いじめ」(8.7%)、「職場環境」(5.6%)などの順だった。「セクハラ・パワハラ」の相談は昨年(8%)の4倍近くに増加。「いじめ」を合わせると、職場に係わる相談の三分の一をいじめ・嫌がらせ関連が占めることになる。また、「自分自身」に関する相談では、「生き方」の悩みが56.3%と半数を超えた。同協会は、「『生き方』の悩みは40~60代の男性の相談が目立った。中堅、ベテランを中心に『生きにくさ』を感じる時代であることがうかがわれる」と指摘している。

なお、相談を男女別にみると、男性56.8%、女性43.2%。年代別では、40代(23.7%)、30代(21.3%)、50代(19.4%)、60代(14.2%)、20代(8.8%)などの順で多かった。