新組織は「自治労以外」の名称に/自治労定期大会

[労使]

調査・解析部 2008年9月3日

自治労(岡部謙治委員長、約95万人)は8月28~29日、千葉市で定期大会を開き、自治体確定闘争の推進、公共サービスの再構築(次期臨時国会における公共サービス基本法成立)、地方分権改革下における公共サービス産別の再編強化、社会保険庁の日本年金機構への移行に伴う雇用確保――など15本を柱とする当面の闘争方針等を決めた。また、都市交、全水道との2010年秋の組織統合に向けた名称問題について、「『自治労』以外の新たな産別名称の選択を基本に今後の協議に臨む」方針も正式に決定した。

大会では、当面の闘争方針、09年度行動計画のほか、地公三単産の組織統合をめぐる名称問題や、自治労共済と全労済の統合協議問題についての対応方針を議論した。

都市交(3.1万人)、全水道(2.8万人)との2010年秋の組織統合に向けた名称問題をめぐっては、「今後も全体的な合意形成に至っていない名称問題や部門別組織のあり方を含め、新組織の基本構造についての組織討議を継続・深化させる」などとする、5県本部連名の補強修正案が急遽提出されたが、採決の結果、「『自治労』以外の新たな産別名称の選択を基本に今後の協議に臨む」などとする本部原案を(代議員総数892中)賛成579で可決した(詳細「修正案排し、本部原案を可決/新組織の名称問題」)。

また、団塊世代の大量退職、市町村合併等の影響で組合員(加入件数)の減少が続くなか、全労済より一昨年七月、経営統合の申し入れを受けている自治労共済について、組合員の利益、単組・県支部への手数料・交付金の確保、経営の健全性――など必須要件が確認されたことから、今後は統合形態のあり方を含む具体的な協議に臨む方針を決定した。

確定期交渉は例年以上に厳しい姿勢で

岡部委員長は挨拶の中で、現行基本賃金を据え置く一方、所定勤務時間を1日当たり7時間45分へ短縮するなどとした今年の人事院勧告に触れ、「勧告自体不満だが、さらに警戒の必要があるのは、比較企業規模の縮小や指定職給与表における一方的な値切りなど、人勧制度に政治が介入する傾向が近年強まっていることだ。これと呼応するかのように、大阪府のような首長の強権的な姿勢、議会の過剰な介入により、自治体職員の賃金が一方的に削減される動きが全国的に拡がりつつある。確定期の交渉に当たっては、例年以上に厳しい姿勢で臨まなければならない」などと指摘。

そのうえで、6月に国家公務員制度改革基本法が成立し、非現業職員への協約締結権拡大を中心とする60年ぶりの公務員制度改革に向け大きな一歩を踏み出したことに触れ、「基本権制約の代償措置である人勧制度が形骸化するなか、基本権回復のもと労使が自ら責任を持って、賃金労働条件を決定していくための基盤を再構築していくことが急務だ。当面は3年以内の国公法・地公法改正、5年以内の新制度施行に向け、引き続き対策を強めていく」などと強調した。