地方財政確立に向け中央集会を開催/自治労

(調査・解析部)

[労使]

自治体の地方公務員や公共サービス労働者等でつくる自治労(岡部謙治委員長、94万7,000人)は12日、東京・千代田区で「骨太方針の流れを変えよう!地方財政確立中央集会」を開催した。集会では、公共サービス水準の確保と地域間格差の是正に向け、地方財政の圧縮政策の早期転換を求めてゆく方針を確認。また、集会後は「国は税源保障の責任を果たせ」「地域の切捨てを許さないぞ」――などと訴えながら、霞ヶ関周辺をデモ行進した。

冒頭のあいさつで岡部委員長は、「官から民への小さな政府論が基底に流れる骨太方針に基づいて、地域社会は疲弊してきた。小泉元首相が主導した04~06年を集中期間とする三位一体改革では、国から地方へ3兆円の財源委譲が行われた一方、約5.1兆円もの地方交付税が削減された。公共サービス水準のナショナルミニマムを担保する財源保障機能が著しく損なわれつつある今こそ、本気になって地方財政確立の取り組みを進めなければならない」などと述べ、骨太方針の転換を求めた。

内閣府など関係省庁にも要請行動

集会では、金田文夫書記長が基調報告の中で、6月中をメドに策定される「骨太方針2008」をめぐり2日、関係府省(内閣府・経済財政担当、財務省等)に対し、要請行動を行ったことを明らかにした。

要請では、 (1) 国の財源保障・財政調整の責任として、行政需要を的確に反映した地方交付税を確保すること (2) 国:地方の税収割合を当面5:5として、国庫補助負担金の改革と地域偏在性の小さい税源の委譲を進めること (3) 社会保障関係費を機械的に2,200億円削減するとしている骨太方針2006を撤回すること (4) 地方自治体における行政サービス水準の向上と人的資源確保のため、地方公務員の画一的な総人件費(定員・給与)削減をやめること (5) 地方分権改革は国から地方への権限・財源委譲を本格的に推進すること――等を重点課題に据えた要請書を提出した。

自治労は引き続き、「骨太方針2008」とそれに続く2009年度の政府予算編成に向けた取り組みを強化する構え。今年の人事院勧告に向けた取り組みがこれから本番を迎えるなか、自治労は同集会を皮切りに、持続可能な社会保障制度の抜本改革や、福祉サービス人材の確保、地域医療の確保と公立病院改革といった地域再生をめぐるキャンペーン行動を、相次いで展開する予定だ。