前年比で259円アップ/連合の第1回集計

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は14日、08年春闘の第1回賃金改定集計結果を発表した。前年と比較可能な264組合の賃金改善額は、一人あたり平均6,401円(定期昇給分込み、加重平均)で、前年実績(6,142円)を259円上回った。高木会長は、「賃金の底上げのためには(これからの)中小の闘いが重要。未組織労働者への波及効果の点でも昨年を上回る成果を出して欲しい」などと訴えた。

集計結果によると、この日までに回答を得た326組合(組合員約79万人)の一人あたりの月例賃金の改善額は、定昇込みの加重平均で前年実績比218円増の6,371円。昨年と同じ264組合(同65万人)で比べると、改善額は前年比259円アップの6,401円になる。率では前年を0.07ポイント上回る2.08%だった。

これを業種別にみると、自動車や電機などの製造業が前年同期比89円減の6,649円と苦戦する一方で、商業流通業(同542円増の6,814円)と交通運輸業(同1354円増の5,101円)の非製造業は比較的好調。その他の業種は同374円増の6,362円だった。

高木会長は、今春闘の交渉が円高や株安などの影響で苦しい展開になったとの見方を示しつつも、「水準は昨年を上回る結果になったが、労働分配率の反転、内需拡大に貢献できる賃金改善の観点から言えば、十分とは言い難い」などと指摘。そのうえで、今後の交渉について「中小組合が交渉の本番を迎えるが、賃金の底上げのためには中小の闘いが重要。未組織労働者への波及効果の点でも昨年を上回る成果を出して欲しい」と訴えた。

一方、パート労働者の時給引き上げは、38組合が妥結。前年と比較可能な28組合のうち、17組合が昨年実績を上回っており、平均で前年比2.6円増の22.4円の賃上げ回答を得た。この結果について高木会長は、「パート共闘が3年目を迎え、非正規労働センターの運動も少しずつ浸透しているのではないか」と分析。「今後、さらに本格的な交渉が進む。パートの時給改善についてはこの勢いを続けて行って欲しい」と期待を寄せた。