何がなんでも月例賃金の引き上げを/私鉄総連決起集会

(調査・解析部)

[労使]

私鉄やバスなどの労組で構成する私鉄総連(宮下正美委員長、11万6,000人)は6日、ウェルシティ東京(東京厚生年金会館)で08年春闘の中央総決起集会を開いた。宮下委員長は「組合員とその家族のため、背水の陣で臨む。何がなんでも月例賃金の引き上げを取りに行こう」と呼びかけた。

決起集会の様子

冒頭、あいさつに立った宮下委員長は、「食料品を中心に上がっている物価に、一時金・賞与では対応できない。また大手といえども、民間産業とくらべて賃金格差が広がっており、今日まで月例賃金の引き上げができなかったことが要因になっている」と述べ、月例賃金の引き上げにこだわっていく姿勢を強調した。

今後の戦術についても触れ、「(13日の回答指定日に向けて)妥結目標基準を示せるようにしたい。なんら遠慮することなく臆することなく回答を求め、回答がでない場合は月例賃金の回答がでるまで経営者が一番嫌がるストライキのビラを駅に貼るとの決意で闘う」との姿勢を示した。

集会では、連合や民主党、社民党などの来賓あいさつの後、単組からの決意表明があった。

大手組合を代表した高橋究・東武労組副委員長は、「生活用品や食料品の値上げで生活が苦しくなっている。我々は人の命を安全に運ぶという重い使命のなか、早朝から深夜まで長時間にわたり神経をすり減らして働いているが、生活はよくならない。08春闘でなんとしても賃金の引き上げを勝ち取る」と発言。中小労組代表の寺本浩司・三岐鉄道労組委員長は、「今、若い人が辞めていくことが一番の課題。賃金、臨時給、将来展望を考えて私たちの産業を見切っていく。08春闘で若い仲間から見切りをつけられることのない回答を引き出したい」と、意欲的に交渉に臨む考えを表明した。

私鉄総連は今春闘で、定昇相当分とは別に3,500円のベースアップを要求。大手労組は回答期限を13日12時に設定した。すでに3月初めにスト権を設定しており、交渉がまとまらない場合は、17日に24時間ストも検討するという。