自制的要求なので満額回答を/連合

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は6日、都内で中央闘争委員会を開き、先行組合に設定している12~15日の回答のヤマ場に向けて、「当面の方針(その4)」を確認した。高木会長は、「極めて自制的な要求なのだから、満額をめざして欲しい」と先行する大手組合に奮闘を呼びかけた。もうひとつの柱である長時間労働是正に向けた時間外割増率の引き上げについては、何らかの具体的な回答を求めるとの考えを打ち出している。

方針は、賃金改善の取り組みについて、「賃金カーブ維持分を確保したうえで、昨年を上回る賃金改善の実現をめざし、中堅・中小組合の成果獲得につなげるための最大限の取り組みを展開する」としている。

高木会長は記者会見で、「極めて自制的な要求をしているのだから、『(方針は)昨年を上回る』としたが、取れるところは満額をめざして欲しい。円高、原油高、原材料高などといって賃金改善の原資を押さえ込んだら、日本経済が心配。大手は頑張って欲しい」などと述べた。要求額が昨年レベルにとどまっているため、牽引役の大手労組に交渉の強化を促した格好だ。

一方、時間外割増率の引き上げは、「何らかの具体的回答の引き出しに向け交渉に全力をあげる」とした。割増率の交渉に関しては、経営側がコスト増につながるなどとして強硬に反発。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた第一歩だとする労組の主張と対立したまま平行線を辿っており、全体の交渉に影響が出ているとの声も聞かれる。

そこで、16産別で構成する割増共闘(座長:中村正武・電機連合委員長)は4日、経営側が頑なな姿勢を崩さないもとで、 (1) 割増率が法定基準にある組合は、法定を上回ることをめざす (2) 既に法定基準より高い労組は何らかの前進をめざす (3) (望むような回答が得られなかった場合でも)継続的に話し合いを持つなど、交渉の糸を切らないようにする――との考え方を申し合わせた。