「2年3,000円は取り切る」/基幹労連総決起集会

(調査・解析部)

[労使]

鉄鋼、造船重機、非鉄金属の労働組合で構成する基幹労連(内藤純朗委員長、24万3,000人)は1日、東京のTOC有明コンベンションホールで「AP(アクションプラン)08中央総決起集会」を開き、約600人が参加した。内藤委員長は、「(2年で3,000円の)賃金改善は取り切る要求。世間と遜色ない水準を求めていこう」と春闘交渉の終盤に臨む決意を示した。

内藤委員長はあいさつで08年春闘の意義を「産業・企業発展のための取り組みだ」と指摘。賃金改善の要求水準については、「人への投資としてギリギリの取り切る要求として3,000円を、2年を一つの単位として求めている」と強調した。そのうえで、「2年サイクルの取り組みが毎年要求する組合の成果に見劣りしてはならない」として、「(経営側から具体的な水準が示されず、賃金改善の実施時期も1年後に延びた)AP06の反省を強く肝に銘じ、わかりやすい形で世間と遜色ない水準を求めていこう」と傘下組合に奮闘を呼びかけた。

現況報告に立った神津里季生事務局長は、経営側の姿勢を「依然としてコスト論を持ち出し、それを要求への反論としている」などと厳しく批判。「われわれの運動は生産性の向上とコスト削減が製造業の永遠の課題であることをはなから認知したもの。つじつま合わせのコスト削減のために人への投資にしわ寄せするようなことがあれば、活力は失われる」と述べ、経営側に再考を求めていく姿勢を示した。

また、神津事務局長は時間外労働割増率の交渉が難航していることにも触れ、「経営側は割増率アップが労働時間削減に効果を持たないといっている。割増率が高くなれば(組合員の)残業代志向が高まるとの主張もあるが、そのような風潮はワーク・ライフ・バランスの創造に反するものだ」と非難した。

集会では、5つの構成組織が決意表明した後、要求趣旨を受け止めた会社回答を求める「要求貫徹に関する決議」を採択した。

基幹労連は2年サイクルで統一要求を組んでおり、今春闘では08,09年度の「2年をひとつの単位として3,000円を基準とする」賃金改善を求めている。また、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた長時間労働是正の取り組みとして、月45時間以下の割増率を30%、45時間を超える部分と休日労働の割増率を50%にそれぞれ引き上げる要求も行っている。