2,000円の賃金改定要求を決定/電力総連

(調査・解析部)

[労使]

電力会社と関連企業の組合でつくる電力総連(南雲弘行会長、21万2,000人)は14日、都内で中央委員会を開き、「2008春期生活闘争方針」を決めた。賃金改定では昨年同様、個別賃金(30歳・勤続12年)の1人2,000円以上の引き上げなどを求める。ただし、牽引役の東京電力労組は、昨夏の新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発が停止し、業績が悪化していることなどから、賃金改定要求を断念する。

東電労組は統一要求から離脱

電力総連が賃金改定を求めるのは2年連続。昨年の春闘では、6年ぶりに賃金改定を要求し、ほとんどの電力会社が500円の回答を示した。南雲会長はあいさつで、「電力関連産業を発展させていくために、働く者の懸命な努力に報い、明日への活力につなげる。2007春闘の流れを止めることのないよう取り組んでいきたい」と強調した。

賃金改定については、電力部会(電力会社など13社の労組で構成)が個別賃金(30歳・勤続12年)1人2,000円の賃金改定を要求する。その他の傘下組織は、個別賃金の引き上げを求める組合が (1) 高卒30歳・勤続12年の者「2,000円以上」を基本 (2) 高卒35歳・勤続17年の者「2,400円以上」を基本――のいずれかを選択。平均賃上げ方式の組合は、1人「2,500円以上」の賃上げをめざす。

ただし、今春闘では、リード役の東電労組が「業績の悪化に加え、昨夏の猛暑で顧客に節電や一時的な使用の手控えをお願いするなどの迷惑をかけたことなどから、賃上げを要求する状況ではない」と判断し、賃金改定の統一要求からは外れることとなった。

時間外割増率の引き上げや非正規労働者の待遇改善も

また、今春闘では連合の「割増共闘」に参画。同共闘の方針を基本に、 (1) 1カ月45時間以下30% (2) 同45時間超過50% (3) 休日50%――を求めていく。賞与・一時金は、「生活給的部分を最低限確保する」との観点から、「年間4カ月」を最低水準とし、過去の妥結実績や企業業績などを勘案して上積みを図る。

さらに、電気関連産業に働く人の企業内最低賃金として、「時間額890円以上」を要求。パートタイム労働者などの非正規労働者の待遇改善についても、時給890円をめざした要求もしくは要請を行うこととする。なお、既に890円を超えている場合は、10円以上の引き上げを求める。

各組合は、今月19日に要求書を提出する。