パート労働者の時給25円の引き上げを/連合春季闘争方針(その1)

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は20日、第1回中央闘争委員会を開き、「2008春季生活闘争当面の方針(その1)」を確認した。パートタイム労働者の時給を25円程度引き上げることや、月45時間を超える時間外労働と休日労働の割増率を50%にすることなどの目標値を定めている。

「当面の方針(その1)」は、パートタイム労働者など非正規労働者の処遇改善とワーク・ライフ・バランス実現に向けた長時間労働の是正について、連合内の横断的な共闘組織でそれぞれ積極的に取り組むことを強調している。

パートタイム労働者が多く働く百貨店やチェーンストアが加盟するサービス・流通連合などの14産別でつくる「パート共闘会議」(代表:桜田高明サービス・流通連合会長)は、時給を1,000円程度とするか、現在の時給からの上げ幅を25円程度とするかのいずれかを要求の目安とする。25円の根拠は、昨年要求の15円に、今年の最低賃金の上昇額(Bランクの約9円)を上積みしたもの。その他、正社員との均等・均衡待遇の実現をめざして、通勤手当の支給や慶弔休暇の付与を正社員と同基準にすることや、正社員への転換制度を導入することにも力点を置く。来年4月に改正パート労働法が施行されることを視野に、同法を上回る要求を組み立てる。

一方、ワーク・ライフ・バランス実現に向けた長時間労働の是正に関しては、連合全体で総実労働時間の短縮や36協定の総点検活動などで労働時間管理の徹底と不払い残業撲滅に取り組むとともに、08年春闘で時間外労働の賃金割増率の引き上げを具体的に要求し交渉する15産別が参加する「割増率共闘」(代表:中村正武・電機連合委員長)が、 (1) 月45時間以下の時間外労働の割増率を30%以上に (2) 月45時間超の時間外の割増率を50%に (3) 休日の割増率を50%に――する目標を運動の中心に据えて、一体的な取り組みを展開する。