カウンセラーの8割が職場のいじめ事例に遭遇/日本産業カウンセラー協会

(2007年7月30日 調査・解析部)

[企業]

企業・団体の人事労務部門などでカウンセリング業務を行っている産業カウンセラーの8割が、職場でのいじめ事例に遭遇したり、相談を受けている――。日本産業カウンセラー協会が12日に発表したアンケート調査結果でこんな実態がわかった。

調査は同協会が、この1年間に企業や団体の人事労務部門などでカウンセリング活動に携わっている産業カウンセラーを対象に実施。440人からの回答をまとめた。

それによると、職場でのいじめの事例を見たり、相談を受けた経験のある人は81%に上った。その内容(複数回答、以下同じ)は、「パワハラ」が78%でトップ。次いで「人間関係の対立・悪化に起因したいじめ」(59%)、「仕事のミスに対するいじめ」(44%)、「セクハラ」(36%)などが続いた。その形態は、「罵る・怒鳴る・威嚇する」が約7割で一番多く、いじめが生じる人間関係は「上司から部下に対して」(85%)が圧倒的に多かった。

カウンセラーが「いじめと関連がある」と感じたものについては、「コミュニケーション能力の欠如」と答えた人が80%と最も多く、その他、「人を育てる意識の希薄化」(62%)、「人権感覚・モラル感覚の低下・欠如」(54%)、「成果主義・能力主義」(50%)などをあげる回答も少なくない。同協会の原康長事務局長は、「(部下から上司に)モノが言えない職場になっていることが大きな原因としてあるのではないか。また、成果だけを強要され、成果を上げられない人はだめな人間だとの図式になりつつあるところに問題が潜んでいると思う」などと話している。