登録型派遣の原則禁止を/連合が方針を確認

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は13日、中央執行委員会を開き、労働者派遣法の見直しに関する考え方を確認した。人材派遣会社が求職者を登録して仕事先に派遣する登録型派遣で、「雇用の安定、能力開発、社会保険の加入等の面で多く問題が生じている」などと指摘。登録型派遣を原則禁止する方針を打ち出している。

登録型は「雇用の安定」などに問題

労働者派遣は、制度創設時には対象業務が専門的な知識や技術、経験を必要とする業務に限定されていた。だが、99年の法改正により、港湾運送、建設、警備など特定の業務を除き原則自由化され、04年の改正では専門的業務(26業務)の派遣期間制限が撤廃されるとともに、この他の業務の派遣期間制限も1年から3年に延長され、物の製造業務も解禁された。また、現行法では特定労働者派遣事業(常用型派遣)は届出制、一般労働者派遣事業(登録型派遣)は許可制になってはいるものの、それ以外の法規制はない。

連合は、こうした規制の緩和が「平成不況下のリストラと相まって、非正規雇用の拡大や雇用の二極化をもたらしている」と指摘。さらに、人材派遣会社が求職者をスタッフとして登録し、求人企業の求めに応じて仕事先に派遣する登録型派遣では、「雇用の安定、能力開発、社会保険の加入等の面で多く問題が生じている」として、労働者派遣制度の枠組みの見直しを訴えている。

「スポット派遣」、違法なケースの根絶を

具体的には、当面の対応として (1) 登録型派遣を原則禁止する (2) 専門26業務については、今日的に見て高度で専門的な業務か否かの観点で見直しを行う (3) 一般労働者派遣事業(登録型)の許可要件の厳格化等を行う――ことを求めていく。

特に、携帯電話で明日の仕事を予約して、派遣会社からの条件明示があったときだけ就業する「スポット派遣(日雇い派遣)」に関しては、「建設業・警備業など禁止業務への派遣や、労働条件・就業条件等の明示がなされていないケースも見られることから、実態を速やかに調査し、監督指導を強化して違法なケースを根絶する」と主張。「短期間の派遣は職業紹介に整理することなども含め、引き続き検討する」考えも示している。

このほか、期間制限について、「派遣労働者は臨時的・一時的な労働力の需給調整制度であることを堅持し、派遣可能期間の上限は延長しない」ことを明記したほか、偽装請負や禁止業務への派遣などの違法派遣や、登録型派遣が期間制限を超えた場合などには、派遣先が派遣労働者を直接雇用しているとする「直接雇用みなし規定」の創設も掲げている。