来春闘の取り組みは労働条件トータルで検討/NTT労組定期大会

(調査・解析部)

[労使]

NTT労働組合(森嶋正治委員長、約18万人)は6日、東京・中野で定期大会を開き、07年度の運動方針を決めた。あいさつした森嶋委員長は、来春闘の要求のあり方について、賃金だけではなく、「労働条件トータルで検討する必要がある」と強調した。

NTT労組は、今春闘で7年ぶりに月例賃金の改善要求(1人平均2,000円相当)を掲げて臨んだものの、グループ全体では増収減益見込みとなるなか、扶養手当、成果手当とセットで500円相当の賃金改善で収束した。全体の底上げにつながらなかったこともあり、森嶋委員長は、「評価がさまざまあることを率直に受け止めて、今後の取り組みに傾注していきたい」などと総括。そのうえで、「時には個別の労働条件にターゲットをあてた要求内容もあり得るし、賃金には直接つながらない労働条件要求との組み合わせになる場合も想定し、労働条件トータルで検討する必要がある」などと述べ、来春闘に向けた討議では、ワーク・ライフ・バランスや雇用の多様化といった、社会的に要請される課題への対応も焦点になるとの見通しを示した。

大会では昨年決めた2年間の運動方針を補強する今後1年間の方針を決めた。「NTTグループの事業運営を左右する政策課題は、今年度から来年度にかけて大きな枠組みが形成される」(森嶋委員長)との認識から、総務省による情報通信政策の見直し(「新競争促進プログラム2010」等)への対応に注力する。そのうえで、2010年を展望した「NTTグループ中期経営戦略」について、経営側に対して、IP・ブロードバンド化の促進と新たな事業展開のための人材育成に向けた取り組み、また次世代ネットワークを基盤とするサービス開発の方向性や収益構造改革の展望を早期に明示するよう求めつつ、経営戦略の推進に取り組むとした。

このほか、運動方針の重点に、労働条件をトータルで捉えプライオリティをつけるための組織論議やパート・有期契約労働者を含む組織拡大――などを据えた。