95.8%の勤務医が宿直明けも勤務/日本医労連の労働実態調査

(調査・解析部)

[労使]

勤務医の4人に1人が毎週、宿直をしており、95.8%が宿直明け後も続けて働いている―日本医労連(15万人)が19日に発表した調査で勤務医の苛酷な労働実態が浮かび上がった。3割強が月80時間を超える時間外労働を行っており、日本医労連では「睡眠時間も取れず、休みも取れない勤務医の長時間労働が常態化している」と話している。

調査は昨年11月から今年1月にかけて、全国の日本医労連に加盟する医療機関や自治体病院など通じて、勤務医に調査票を配布。これまでに回答を寄せた25道府県約150施設の1,036人について集計し、中間報告としてまとめた。

調査結果によると、1日の労働時間は平均10.5時間、週の労働時間は平均58.4時間だった。回答者の半数近くが「1日12時間以上」と答えており、「週65時間以上」も3分の1を占めている。

調査前月に行った宿直勤務の平均回数は月2.9回だが、「4回以上」との回答も24.6%あった。4人に1人が毎週宿直をしている計算になる。

通常勤務後の宿直勤務では、95.8%が宿直明け後も連続して働いており、宿直明けに勤務がなかった医師はわずか4.2%に過ぎなかった。9割超の勤務医が、宿直を挟んで通常勤務に就く32時間労働を行っていたことが分かる。これまで経験した最も長い連続勤務時間は平均32.3時間だが、「36~41時間」の連続勤務時間が36.8%で最も多く、30時間以上の回答が7割を占めた。

調査前月に休んだ日数の平均は3.3日で、1カ月間、全く休んでいない医師も27%いた。残業時間の平均は63.3時間。労災認定の判断基準とされる「月80時間」を超える時間外労働をした医師も全体の31.2%にのぼった。なお、最も長い連続勤務日数は平均19.5日だった。