JPUとの統合は6月大会で最終判断/全郵政中央委員会

(調査・解析部)

[労使]

全郵政(山口義和委員長、8万4,000人)は8~9日、千葉県・浦安市で中央委員会を開き、07春闘の取り組みを含む、当面の対応方針を決定した。あいさつした山口委員長は、今年10月にせまった民営・分社化後の労組組織のあり方について、「会社ごとに労組づくりを行うのではなく『単一組織』とし、全郵政とJPUが組織統合した形で構成していくとの方向性を持って新たに踏み出したい。6月の定期大会で最終の組織判断をしたい」などと述べ、JPUとの統合に向け、6月には最終的な組織決定を行う考えを明らかにした。

JPUの「強い意思表明」を評価

山口委員長は、あいさつの中で、10月の郵政民営・分社化について、「JRやNTTと異なり、大きく複雑な課題を抱えているが、必ず成功させなければならない」と強調。そのうえで、課題の一つとして、JPUと進めてきた組織統合をめぐる協議について触れ、「全郵政の求めに対し、JPUは組織内議論を経て、過去の労々対立時代における旧全逓運動の非を率直に認めるとともに、自らを戒める運動総括を行うとの決断をしている(中略)など、強い意思を表明した。私たちとしてもこの強い意思表明を評価し、真摯に受け止めていく必要がある。民営・分社化後の新たな組織は、全郵政とJPUが組織統合した形で構成していくとの方向性を持って、新たな踏み出しを行いたい」などと述べ、JPUの歩み寄りを前提に、統合の実現に向けた具体的な検討を進めていく意向を明らかにした。

郵政労働者22万人加盟の単位組合誕生か

全郵政とJPUの組織統合問題をめぐっては、両組織とも昨年の定期大会で、「組織統合も視野に検討する」ことなどを確認した。その後、全郵政サイドから7月、統合協議にあたっての絶対条件となる4項目を提起。これに対し、JPUが9月、 (1) 運動理念や行動原理の方向性は全郵政の運動方針や綱領の精神と一致する (2) 政治的イデオロギーや外部からの思想介入を許さず組合民主主義に徹する (3) 対等合併の要請については一方の組織に利する対応や数の論理で対応しないよう協議に臨む (4) 過去の運動が社会や事業に及ぼした影響や全郵政組合員に対する行き過ぎた行為等について、反省に立ち決議機関を通じて明らかにする――などとする見解を示したことから、両者の間に「組織統合検討協議会」が設置された。

これまでに9回の議論を重ね、基本事項をめぐる方向性を固めつつあることから、全郵政では、基本理念(綱領)や組織名を含む単一組織としてのあり方、組合費の値下げ等の財政面や、新たな教育活動のあり方――などをめぐり、引き続き具体的な話合いを進め、今年の大会でその到達点を諮りたい考えだ。単一組織での統合が実現すれば、新会社5社の郵政労働者を横断し、約22万人を擁する日本最大の単位組合が誕生することになる。

中央委員会ではこのほか、07春闘方針として、郵政公社期間における新賃金と年間一時金の一括要求交渉を基本に、取り組むことなどを決定。また、スムーズな民営・分社化移行に向けて、 (1) 新会社への職員の帰属に係わる苦情処理や出向・転籍等の措置 (2) 民営化後の業務や制度への対応のための研修マスタープランの実施――など、公社側の対応を注視していく方針などを決めた。