06年春闘を上回る賃金改善を/連合の闘争方針案

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は24日の中央執行委員会で、「2007春季生活闘争方針案」を確認した。ベースアップや時間給の引き上げ、格差是正、賃金カーブの是正、低賃金層の底上げなどで06年春闘を上回る「賃金改善」をめざす考えを打ち出している。方針案は、12月7日の中央委員会で正式決定する。

連合は07年春闘に向けた基本スタンスに、 (1) 実質1%以上の成果配分を通じた労働分配率の改善 (2) 月例賃金重視の賃金改善 (3) 中小企業労働者やパート労働者など低所得層の賃金の底上げ (4) 総実労働時間の短縮に向けた取り組みの強化――の4点を掲げている。

賃金改善については、「昨年を上回る『賃金改善』を行う」と強調。35歳勤続17年労働者について、31万1,000円以上(所定内賃金)の参考目標値を設定した。連合の賃金調査による現行水準(30万5,963円)をベースに、成果配分1%分と物価上昇分0.6%を乗じて算出したものだ。

中小・地場組合に対しては、格差是正の水準目標として「35歳の所定内賃金23万5,000円以上」を提示。これを下回る組合は、賃金実態を点検して計画的に格差の是正を図っていくよう促し、上回る組合は大手を見据えた賃金改善をめざす、とした。具体的には、「賃金カーブ維持分の確保を労使確認した上で、賃金改善分2,500円以上をプラスする」ことを賃金要求の目安に設定。賃金カーブの算定が難しい組合は、賃金カーブ確保相当分を4,500円と考え、改善分2,500円と合わせて「7,000円以上」の目安を示した。

一方、パート労働者等については、 (1) 人事・賃金制度の整備や評価制度の導入、社会・労働保険加入の点検などパート労働者固有の制度 (2) 休日・休暇制度や福利厚生、安全衛生など働き方に関係なく適用される労働条件 (3) 時間あたり基本賃金や職務・生活関連手当、一時金など時間比例を考慮するもの――を通じて待遇改善をめざす。さらに、パート・契約・派遣労働者で、正社員を希望する人や仕事の内容などが正社員と実質的に異ならない人について、正社員化するための労使協議を強めるとともに、正社員へ転換する制度の導入を進める。

なお、労働時間短縮に関しては、36協定の内容の再確認や、時間外割増率引き上げの実現に努める。連合目標の時間外割増率50%、休日割増率100%の方針を踏まえつつ、当面はすべての組合が時間外30%、休日40%の達成をめざす。