職種別賃金の要求方式を決定/電機連合の代表者会議

(調査・解析部)

[労使]

電機連合(約60万人)は、9月29日に開催した代表者会議で来春闘から移行する「職種基準による個別賃金要求方式」(職種別賃金要求方式)の具体的な方針を機関決定した。職種基準による代表職種を、技術職は「開発・設計職(30歳相当)」、技能職は「製品組立職(35歳相当)」の2つの職種とすることが確認された。

電機連合は、7月6~7日に開いた定期大会で職種別賃金要求方式(個別賃金要求における「職種基準」を確立)へ移行することを提案し、確認した。大会では、技術職はシステムエンジニア(SE)と開発設計職、技能職は製品組立職と監督指導職の4つの中から単組が個別に代表職種を選択し、職種ごとにレベル1~5で規定した電機連合独自の能力基準と組み合わせ、賃金要求を設定する試案が示されていた。

代表者会議では、大会での提案をさらに絞込み、産別が要求基準とする代表職種を、 (1) 開発・設計職基幹労働者(30歳相当) (2) 製品組立職基幹労働者(35歳相当)―の2職種に設定。そのうえで、具体的な要求内容を、新たに電機連合が技術職群と技能職群を対象にそれぞれ設けた「スキル・能力基準」(電機連合モデル)のレベル4に該当する資格・等級の賃金(基本賃金)と定義した。レベル4は、技能職で組長・班長の手前、技術職では主任・係長の手前のリーダー層に相当する。

多くの企業が成果主義型の賃金体系に移行したとはいえ、生計費見合いの年功的要素が残っている。このため、スキル能力基準の「レベル4」を要求基準の第一義としつつも、年齢が、 (1) 仕事の「習熟度」を表す代理指標性的性格も有していること、 (2) 他産業との賃金比較の必要性―などの観点から、当面「年齢」要素を第二義的基準とする。

産別がスキル・能力基準を織り込んだ賃金要求の基準を示すのは初の試みだといえる。

現在、組合は使用者側に対して職種別賃金要求方式への理解を求める取り組みや、職場討議に入っており、本部では条件が整ったところから来春以降、順次要求方式を移行するよう求めている。