誰でも月額1万円以上の賃上げを/全労連の春闘方針

(調査・解析部)

[労使]

全労連(熊谷金道議長)は1月26~27日、都内で評議員会を開き、「誰でも月額1万円以上の賃上げ」を統一要求目標とする2006年国民春闘方針を決めた。パートタイマーなどの時間給労働者については「誰でも時給100円以上の引き上げ」を要求。最低賃金として「月額15万円以上、日額7,400円以上、時間額1,000円以上」を掲げている。

方針は、上場企業の業績が前年を上回ると予測されていることや、連合がGDP1%の賃金改善を要求していることなどを紹介。今春闘を「すべての仲間の賃上げを実現する絶好のチャンスを迎えている」と位置づけた。統一要求基準は、(1) 誰でも月額1万円以上の賃上げ (2) 誰でも時間給100円以上の引き上げ (3) 最低賃金は月額15万円以上、日額7,400円以上、時間額1,000円以上――を設定。職場や産別、地域など全国で統一闘争を強化して要求の実現をめざすとしている。特に時間給労働者の要求については、昨春闘より50円増額し、「パート時間給を引き上げることに最後までこだわる」姿勢を強調した。

あいさつした熊谷議長は「連合の主要単産も数年ぶりに『賃上げ』を要求し、マスコミも『ベア春闘復活か』と報道しているもとで、厳しい経営状況下の中小企業が多い全労連の仲間たちが、どれだけ攻勢的なたたかいで要求を大きく前進させることができるのかが問われている」と危機感を表明。「従来と同じことを繰り返すような運動では要求は前進しない。すべての仲間がせめて一度はなんらかの行動に『1日の休暇』などで参加することを職場・地域の仲間に訴えて欲しい」などと奮起を促した。

今春闘では、昨年から始めた「企業通信簿」運動を今年も継続。鉄道・航空機事故や耐震強度偽装問題、脱法・不公正な株取引など企業倫理が問われる事件が後を絶たないなか、企業の社会的責任について情報公開や法令遵守の観点から採点し、当該企業に渡す。

このほか、間接差別禁止や均等待遇実現に向け、男女雇用機会均等法とパートタイム労働法の実効ある改正を要求。税制・医療改革の問題では、連合などとの共同も追求するなど国民的な統一行動を呼びかける。