1%以上の成果配分を/連合の06春闘方針

(調査・解析部)

[労使]

連合(高木剛会長)は11月30日、都内で中央委員会を開き、06春季生活闘争の闘争方針を正式に決めた。景気回復による企業業績の改善を受け、全組合が月例賃金を重視した「賃金改善」に取り組む。パートタイマーなど非典型労働者の待遇改善にも力を入れる。

闘争方針は、05年度には実質2%台の経済成長が見込まれるなど景気が回復しているなかで、「月例賃金」の1%以上の増額がなされるべきだ、と強調。すべての組合が取り組む課題(ミニマム運動課題)として、賃金カーブ維持分を確保した上で、「賃金改善」に取り組むことを促した。具体的には、ベアや時給引き上げ、賃金カーブの是正、低賃金層の底上げなどをあげている。

また、方針では「35歳勤続17年の労働者の所定内賃金31万円以上」を賃金改善の目標参考値に設定した。連合主要組合の賃金確定値(10月末時点で30万7,246円)に約3,000円の成果配分を上乗せした形。定期昇給制度の整っていない中小労組についても、賃金カーブ確保相当分の目安4,500円に賃金改善分2,000円を加えた6,500円を要求の目安に設定する考えを示している。

高木会長はあいさつで「マクロの生産性向上に見合った労働側への配分として、賃金カーブの維持にプラスして真水(実質的な賃金増額分)の賃金改善をもらいにいこう」と訴えた。今回、業種や企業規模間の格差が大きいことから「統一ベア要求」の形はとらないものの、事実上2,000~3,000円に相当するベア分を求める意欲を打ち出した格好だ。

一方、06春闘ではパート労働者などの組織化方針を掲げている産別を中心に「パート共闘会議」を発足させ、非典型労働者の賃金増額や待遇改善に力を入れることで、雇用形態による格差拡大に歯止めをかけることも確認した。今後、共闘会議で検討を進め、時給目標値や年休付与日数、一時金などの目安を提示していくこととしている。