統一的なベア要求検討を/日産労連会長

(調査・解析部)

[労使]

日産グループの労働組合で構成する全日産・一般業種労働組合連合会(日産労連・15万人)は10日、横浜市で定期大会を開いた。あいさつした西原浩一郎会長は、上部団体の自動車総連に対して、来春の賃金交渉に向け、「積極的、統一的なベア要求検討を」と求めた。

日産労連は今春の賃金交渉で、自動車総連が統一的なベア要求を見送るなか、「格差是正・拡大防止」と「生産性向上の適正かつ確実な配分」をめざして、賃金カーブ維持分に1,000円を加えた要求を掲げ、構成組織の約7割に当たる321労組・支部がベースアップを要求した。その結果、昨年に比べベアを獲得した労組・支部は減少したものの、52労組・支部がベアを獲得。自動車総連全体でみるとベア獲得組合の4分の1を占めている。

一時金については労連全体の最低獲得水準である4カ月に届かず3.72ヵ月となった。日産自動車だけでなく、グループ全体の業績も持ち直しているとはいえ、年間一時金の支給水準が自動車総連平均(単純)の4.08カ月に比べ、依然落ち込みが目立っている。このため、来季の交渉では「格差是正」をより重視。企業間格差の是正に向けて、ベア要求を掲げつつ、一時金水準のさらなる向上を経営側に求める考えだ。

一方、大会ではこれまでの、日産労連-組合-労組・支部という3階建ての組織構造から、日産労連-労組の2階建てに移行する体制の見直しを決めた。従来の全日産労組、民労、日産販労、部労など業種別組合・連合と協議会を加盟単位とする体制から、直加盟を前提とすることになった。ただし、当面、体制が整うまで業種別単一組合である日産販労(販売関連)と部労(部品関連)は、従来の形態で存続するため、直加盟組織と並存する形になる。これにともない全日産労組、民労は今月中に解散し、日産労連に直加盟する。