3月段階の賃上げ回答、前年水準を上回る/全労連が到達点を確認

(調査・解析部)

[労使]

全労連は3月25日の幹事会で「05春闘の到達点と今後の取り組み」を確認した。国民春闘共闘委員会がまとめた3月段階の賃上げ回答水準は加重平均で6,293円となり、前年同期を428円上回っている。全労連は現状を「今後のたたかいの一定の足がかりになる」と評価。今後、さらなる回答の引き出しと上積みを求めて「ねばり強くたたかいぬく」としている。

全労連と純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会の3月末時点の集計によると、251組合が得た回答は加重平均で6,293円、1.94%。前年同期を428円、0.11ポイント上回った。商業・サービス分野を中心に、業績不振や社会保険料の負担増などを理由とする「ベアゼロ(定昇のみ)」回答が多いものの、回答を引き出した組合の過半数(129組合)が前年実績プラスとなっている。

また、今春闘では第一次回答からパート・アルバイト等の時給引き上げや企業内最賃協定の回答を追求してきたのが特徴。パート・アルバイトなどの賃上げでは、生協労連を中心とする65組合の時間当たりの引き上げは単純平均で9.96円、1.42%。企業内最賃も、建交労運輸や日本医労連、全印総連など68組合が協定化した。

全労連はこれまでの特徴を、 (1) 回答引き出し数が前進している (2) 定昇凍結、賃下げ回答が大きく減少している (3) 第一次回答からパート時給や最賃協定の回答を引き出している (4) 回答水準は極めて低額であるが、数年ぶりに前年水準を上回っている――などと分析。「今後のたたかいの一定の足がかりになるものだ」と評価している。

今後についても、さらなる回答引き出しと上積みを求めて全力をあげ、「無回答や賃下げ回答のまま春闘を『流れ解散』しないことを徹底し、粘り強くたたかいぬくことを重視する」と強調している。具体的には、4月20日に予定している「第二次全国統一行動」を軸に後半戦のたたかいを進める構えだ。