介護保険制度の政府見直し案に反対/介護クラフトユニオン定期大会

(調査・解析部)

[労使]

ゼンセン同盟傘下の日本介護クラフトユニオン(NCCU、河原四良会長、約4万5,000人)は15日、東京都内で定期大会を開き、向こう5年間の中期・行動計画を含む活動方針を確認した。

大会では05年度の活動方針として、6万人50分会を目標に組織拡大に取り組むことを確認。NCCUはこれまで在宅サービスの分会中心だったものの、今年度は新たに施設サービス4分会を加え、約8,000人増の19分会約5万人に組織が拡大している。

また中期・行動計画では、介護産業における公正労働基準を確立するため、引き続き「最低・標準賃金の設定」「訪問介護の拘束時間と就業時間区分の明確化」などを求めるほか、新たに(1)介護労働者にとって働きやすい事業所の「認定審査委員会」を設け、「NCCU認定のマル優事業所」(仮称)としての公表(2)訪問介護員の「NCCUキャリア認定制度」の創設(3)「介護産業労使会議」の創設(常設化)――などをめざすことも決めた。

河原会長はあいさつの中で、政府が来年の通常国会に法案提出を予定している介護保険制度の見直しについて、社会保障審議会介護保険部会が7月に発表した「介護保険制度の見直しに関する意見」に、介護スタッフの資格要件は「将来的には介護福祉士を基本とすべき」などと盛り込んだことに触れ、「介護福祉士だけに資格があるかのようでおかしい。専門性を重視するなら、これまで制度を下から支えてきたホームヘルパーの専門性の確保に向け国が責任を持つべきだ」と主張。組合員の雇用を大きく脅かしかねない政府案に、引き続き修正を求めてゆく姿勢を示した。

役選では、会長に河原四良氏、書記長に陶山浩三氏を再任した。