個別労働紛争の相談件数が14万件/前年度に比べ36.5%増

(2004年5月21日 調査・解析部)

[行政]

厚生労働省が19日発表した2003年度の個別労働紛争解決制度の施行状況新しいウィンドウによると、民事上の個別労働紛争相談件数が14万822件と、前年度に比べ36.5%増加していることがわかった。

労働者と事業主の間の個別労働紛争の迅速な解決を促進するために、2001年10月に個別労働紛争解決促進法が施行され、各都道府県の労働局長は、個別紛争を未然に防止するための情報提供や相談に加え、助言・指導、さらに紛争調整委員会による斡旋等の紛争解決援助を行っている。全国約300ヶ所に設置されている総合労働相談コーナーに寄せられた相談のうち、民事上の個別労働紛争件数を集計したもので、2002年度は10万3,194件であったが、2003年度は14万822件と大幅に増加した。相談の内訳は、解雇(29.8%)が最も多く、労働条件引下げ(15.8%)、いじめ・嫌がらせ(7.4%)が続いている。

総合労働相談コーナーで解決に至らない場合は、都道府県労働局長による助言・指導をうけることができる。助言・指導の受付件数も、対前年度比87.7%増の4,377件と、大幅に増加。内訳は、解雇(35.8%)が最も多く、労働条件引下げ(12.8%)、いじめ・嫌がらせ(6.5%)が続いている。申出人は、労働者(97.2%)が大多数を占めているが、事業主(2.8%)からもある。就労状況では、正社員(63.4%)が最も多いが、近時の非正規労働者の増加に伴いパート・アルバイト・派遣労働者(30.5%)からの申出も増えている。

一方、紛争調整委員会への斡旋申請件数も、対前年度比76.3%増の5,352件と大幅に増加した。申請人の内訳も、助言・指導と同じ傾向を示している。合意成立は2,154件(42.2%)、自主的解決による申請取下げは467件(9.2%)だが、紛争当事者の一方が手続きに参加しない等の理由による打ち切りが2,439件(47.8%)あり、紛争調整委員会に斡旋を申請したもののうち、約半分が解決に至ってないことがわかった。