公務員制度改革の政労協議が初会合/連合幹部と3閣僚が出席

(調査・解析部)

[労使]

公務員制度改革に関する政労協議の初会合が13日夜、都内で開かれた。協議では、01年に閣議決定された公務員制度改革大綱で、「制約を維持する」とした、公務員の労働基本権のあり方についても、議論の俎上にのせることで一致した。

政労協議の場が設置されたことを踏まえ、連合側は来月1日からスイス・ジュネーブで開会されるILO総会で、「公務員制度改革に関しては、政労の無益な対立は避ける」(人見一男・自治労委員長)ことを提案すると報告。一方、政府側も「足並みを揃えて対応したい」(金子一義・行政改革担当相)と応じた。当面は実務者レベルで今後の進め方などについて調整のうえ、7月の参院選とILO総会後をメドに、第2回協議を開催することとなった。

協議には、政府側から金子一義・行政改革担当相、麻生太郎・総務相、坂口力・厚生労働相が出席。労働側からは、笹森清・連合会長が不在のため、草野忠義・連合事務局長、丸山建藏・公務労協公務員制度改革対策本部長(国公連合委員長)、人見一夫・同副本部長(自治労委員長)らが参加した。

初回の協議は40分程度で、意見交換にとどまったが、政府側は、「公務員に対する国民の信頼を確保するためにも、公務員制度改革を実現する必要があり、実現にあたっては職員団体等関係者の理解と協力が不可欠だ」(金子氏)との認識を示した。また、「とくに(能力)評価制度をうまくやるためには、政労間の信頼関係が大事だ」(麻生氏)、「国内の話合いの状況については、ILOに対し、適切に対応してゆきたい」(坂口氏)などと発言。一方、労働側は、「政労協議の実現に感謝したい」(草野)としたうえで、「国民から信頼され、公務員も高い志と意欲を持って働ける制度改革にすべきだ」などと主張した。

協議終了後に政、労それぞれが記者会見を行い、今国会で小泉首相が公務員制度改革大綱の見直しを示唆し、政労協議が実現したことについて、草野氏は「前(石原)大臣のときには、制約は変えないということで協議が実現しなかった。白紙撤回ということではないだろうが、大綱にとらわれずに議論することになり、いわば白紙の状態から議論しようということになったと大きな変化を感じている」と評価。一方、金子氏は「(首相の発言は)天下りの問題に関して言われたこと。一連のなかで、労働基本権についても議論することを否定しないが、公務の労使関係は国公法、人事院勧告制度などもあり、必ずしも民間と同じにはいかない」などと解説した。