私鉄総連はベア要求へ/中央委で春闘方針決定

(調査・解析部)

[労使]

私鉄総連(組合員約13万人)は4日、東京都内で拡大中央委員会を開き、今春闘方針を決めた。傘下の組合は組合員一人平均で、定昇相当分2.1%にベア分1,300円を加えた額を経営側に要求する。

あいさつした山野俊次委員長は、「景気の回復基調の中身をみれば輸出企業の回復であり、業績回復も賃金削減や人減らしなど明らかにわれわれを犠牲にしたものだ。働く仲間を減らされ、賃金も減らされながらがんばっている労働者に対する経営側の姿勢が日本経団連の言う通りなら、断固として闘わなくてはならない」と強調し、「われわれの春闘は闘う春闘だ。私鉄総連の統一闘争を全員で構築しよう」と呼びかけた。

方針では、私鉄・バス組合は一人平均で「2.1%(定昇相当分)+1,300円(ベア分)」の賃上げを要求する。ベア分の1,300円について私鉄総連では、生活向上分だと説明している。定昇相当分は、本部が実施している過去3年間の賃金実態調査で賃金カーブがわずかに緩やかになっていることから、昨年の要求基準から0.1ポイント引き下げた。

方針論議では、「組合員アンケートで月給が5万円以上不足と答えた組合員が79%もいたのに、内部からは、なぜ要求額が下がるのかとの意見が出た。ベア要求したことは評価するが方針には反対する」(京成労組)などの意見が出た。

すべての組合が2月12日に一斉に要求提出する。