すべての指標を回復させる年に/笹森連合会長

(調査・解析部)

[労使]

連合は5日、都内のホテルで2004年の新年交歓会を開いた。主催者あいさつで笹森会長は、「(失業率や労組組織率、賃上げ妥結率など)昨年のすべての数値を底にして、反転させる年にしたい」との決意を表明した。

春闘については、「ベアの統一要求は各産別に判断を委ねる方針だが、(日本経団連が昨年12月に発表した「経営労働政策委員会」の)報告はどうしても看過できない」と主張。ベースダウンも検討対象とする経営側の姿勢を、「従業員を大切にすることが忘れられており、このことをきちんと経営側の胸に刻ませたい」と批判した。

政府の年金制度改革案に対しても笹森会長は、「改悪以外の何ものでもなく論外だ」と激しく非難。「そうならなければいいが」と前置きした上で、「労組がその役割を果たさないといけない時には、逮捕されることも辞さない運動も必要ではないか」と訴えた。

今夏の参議院選挙に関しては、「去年の衆院選の民主党の躍進で2大政党制の足場が固まった。政権交代できる体制づくりが必要だ」と説明。比例代表で立候補を表明している連合の8人の候補者全員の当選に強い意欲を見せた。

来賓あいさつでは、坂口厚労相が「連合には国民全体を見た発言を望みたい。そういう立場になったら、『経済財政諮問会議に(連合から)代表を一人(出してもらう)』ということになるかも知れない。中味のある発言を期待したい」と述べ、年金制度改革をめぐる連合の動きを牽制。日本経団連の西室副会長(東芝会長)は、「経労委報告には、日本を支えるのは人材だと繰り返し書いてある。よく読んでいただければ分かる」と反論した。