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◆労働組合の財政事情
組合員の数は増えないどころか減少していく一方…。賃上げは今や昔語りという状況では、組合費の値上げもままならない…。そんな苦境の中で、労働組合の財政事情も苦しくなる一方だ。連合総研が1年おきに行なっている「組合費に関する調査」の今年度版からは、そうした組合台所からの悲鳴が伝わってくる。
調査によると、組合員1人当たりの平均月額組合費は5,177円。前回調査の5,103円から、ほとんど動いていない。随分前から「日本の組合費は5,000円」といわれているから、ほぼこの近辺での固定状態が続いていることになる。
こうして組合員から集めた総額が組合活動を支えることになるのはいうまでもないが、1単組平均の一般会計収入の平均は3億3,081万円、前回調査より2,000万円ほど減少した。この結果、先ず気に懸かるのは、支出内容の硬直化が進んでいることである。
一般会計支出のうち、最も大きな割合を占めるのが「人件費」で、33.7%にもなる。これに上部団体などの「関係団体費」を加えると、固定的支出が6割以上。その結果だろうか、組合にとっては命であるはずの「活動費」の割合は21.5%と、全体の5分の1をわずかに上回る程度となっている。
財政の硬直化ということでは、単組よりも産業別組合の方がより厳しい。加盟組合から徴収する会費は、組合員一人当り平均512円となっているが、一般会計支出の割合で大きいのは、上部団体費などの「関係団体費」の41.7%と「人件費」の28.2%で、合わせて69.9%。これに対して、「活動費」が12.8%というのは、ちょっとさびしくはないか。何もしなくても7割の固定費が金庫から出て行くとあっては、"背に腹は替えられぬ"ということなのだろうか。
それ以上に驚くのは、産業別組合で罷業資金(スト資金)の積み立て制度がない組織が、調査対象の半数近い19単産、制度はあるが最近は「積み立てていない」組織が11単産もあること。なんと約4分の3の単産でスト資金を積み立てていない実態にある。昨年だったか、「スト資金はもはや不要」とばかり、組合員に山分けした組合が話題になった。これは産別のスト権の有無と合わせて考えなければならないのだろうが、ちょっと解釈に戸惑うところだ。
労働組合は存在することだけで意義がある、というなら現状の財政状況でも良いのかもしれないが、やはり、そんなものではなかろう。"何か"をやるから価値があるはずである。“それが何なのか”は、基本的にはそれぞれの組合自身の判断だが、それが実行可能となるような組合財政の姿へ、個別の組合はもちろん、労働界あげて工夫と努力をすべきだろう。
(久) |