アリさん引越社訴訟で和解 シュレッダー係の男性、復職/東京地裁

[判例命令]

「アリさんマーク」で知られる引越社関東(東京)の男性社員(35)が営業職からシュレッダー係へ不当に異動させられ、同社に地位確認などを求めた訴訟は24日、東京地裁(吉田徹裁判長)で和解が成立した。同社が男性に謝罪し営業職に復職させるなどの内容で、男性の代理人弁護士らが同日、厚生労働省内で記者会見し「全面勝利の和解」と評価した。

男性は2015年、業務中に起こした事故への弁償を求められたことで労働組合プレカリアートユニオンに加入したが、同6月に一日中書類を細断するシュレッダー係に異動。同8月には訴訟提起で会社を中傷したとして懲戒解雇を言い渡されたほか、顔写真入りの「罪状ペーパー」が全支店や社内報に掲載された。解雇は間もなく撤回されたものの待遇は改善されず、復職や名誉毀損(きそん)による損害賠償などを求めていた。

和解条項は、元の賃金条件で6月1日に営業職へ復職▽配置換えや解雇、罪状ペーパーの貼り出しを謝罪▽謝罪文の掲載▽解決金の支払い―など。男性はこの日もシュレッダー業務に就いており、昼休み中に電話で「ほっとしている。まだ表に出ていない問題があり、改善していきたい」と訴えた。支援した同組合の清水直子執行委員長は「理不尽を強いるブラック企業で闘えば変えていけると示した」と語った。

引越社では、未払い賃金の支払いなどを求め40人近くが各地の地裁に訴えている。同組合によると、数百万円の弁償を負わされ、退職後も支払いを続ける元社員もいるという。

(時事通信)
2017年5月24日