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(別紙1)
精神障害等の労災認定に係る専門検討会報告の概要
1 対象とする精神障害
労災補償の対象とする精神障害については、従来の器質性、内因性、心因性の区
分及びその区分に従って限定的に取り扱うことを改め、原則として国際疾病分類第
10回改訂版(以下「ICD−10」という。)第X章に示される「精神および行
動の障害」とすることが適切であること。
2 精神障害の成因
精神障害の成因を考えるに当たっては、「ストレス−脆弱性」理論に依拠するこ
とが適当であること。
「ストレス−脆弱性」理論とは、環境からくるストレスと個体側の反応性、脆弱
性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まるという考え方である。ストレス
が非常に強ければ、個体側の脆弱性が小さくても精神障害が起こるし、逆に脆弱性
が大きければ、ストレスが小さくても破綻が生ずる。
精神障害を考える場合、あらゆる場合にストレスと脆弱性との両方を視野に入れ
て考えなければならず、その上、労災請求事案では、ストレスを業務に関連するス
トレスと業務以外のストレスを区別する必要があること。
3 精神障害の診断等
精神障害の診断に当たっては、ICD−10作成の専門家チームが作成した「臨
床記述と診断ガイドライン」(以下「ICD−10診断ガイドライン」という。)
に基づき実施されるべきであること。
労災請求事案についての確定診断に当たっては、客観、公平を期するためにも、
複数の専門家の合議等により、ICD−10診断ガイドラインに沿って検討、確定
される必要があること。
4 業務によるストレスの評価
(1)出来事の評価
第一線の行政機関で斉一的に、適切に対応するために、業務によるストレスの
強度を客観的に評価する基準を示す必要があることから、ストレスの強度の客観
的評価に関する多くの研究を基に、独自に別表1及び別表2のストレス評価表を
作成したこと。
(2)出来事に伴う変化の評価
業務によるストレスとの関連で精神障害の発病を考える場合、ある出来事に続
いて、またはその出来事への対処に伴って生じる変化によるストレスの加重も重
要であること。
なお、常態的な長時間労働は精神障害の準備状態を形成する要因となっている
可能性があるので、出来事の程度の評価に当たって、特に常態的な長時間労働が
背景として認められる場合、出来事自体のストレス強度はより強く評価される必
要があること。
(3)出来事によるストレスの評価期間
出来事の評価を行う場合、当該精神障害発病前概ね6か月以内の出来事を評価
することが妥当であること。
5 業務以外のストレス及び個体の脆弱性の評価
業務以外の個人的なストレス要因については、別表2により評価すること。
また、個体側の脆弱性については、既往歴、生活史(社会適応状況)、アルコー
ル等依存状況、性格傾向等から精神医学的に判断すること。
6 自殺行為
労働者災害補償保険法第12条の2の2第1項は、労働者の「故意」による負傷、
疾病、障害、死亡については保険給付を行わないと定めており、その具体的運用に
関しては、業務に起因するうつ病等により「心神喪失」の状態に陥って自殺した場
合に限り、故意がなかったと見るのが従来の考え方であったが、精神障害に係る自
殺については、「精神障害によって正常な認識、行為選択能力が著しく阻害され、
あるいは、自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態」
で行われた場合には、同条にいう故意によるものではないと解するのが妥当である
こと。
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