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インドネシア
  労働基礎情報  
I.
II.
III.
一般項目
経済概況
対日経済関係
IV.
V.
VI.
労働市場
賃 金
労働時間
VII.
VIII.
IX.
労使関係
労働行政
労働法制
X.
XI.
労働災害
その他



 I.一般項目

 [ 国  名]  インドネシア共和国(インドネシア、アジア)
 [ 英文国名]  Republic of Indonesia
 [ 人  口]  約2.04億人(1998年)
 [ 面  積]  191万9317平方キロメートル
 [ 人口密度]  106人/平方キロメートル
 [ 首 都 名]  ジャカルタ
 [ 言  語]  インドネシア語(国語)、他に583の地方言語(ジャワ語、スンダ語など)
 [ 宗  教]  イスラム教(87%)、カトリック、プロテスタント、ヒンズー、仏教、その他
 [ 政  体]  大統領制、共和制


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 II.経済概況

 [ 実質経済成長率]  +0.3%(1999年) △13.2%(1998年) +4.7%(1997年) +7.8%(1996年)
 [ 通 貨 単 位]  ルピア(Rupiah)、100ルピア=1.55円(1999年10月)
 [ G D P]  1975億米ドル(1999年) 1970億米ドル(1998年) 2290億米ドル(1997年)
 [ 1人当たりGDP]  682米ドル(1999年) 490米ドル(1998年) 1064米ドル(1997年)
 [ 消費者物価上昇率]  +2.0%(1999年) +77.6%(1998年) +11.7%(1997年) +8.0%(1996年)
 [ 主 要 産 業]  製造業(自動車、電気、電子、セメントなど)、農業、鉱業(原油など)


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 III.対日経済関係

 [ 対日主要輸入品目]  鉄鋼、有機化合物、IC、原動機、プラスチック、食料品、金属製品、重電機器など
 [ 対 日 輸 入 額]  4909百万米ドル(1999年) 4310百万米ドル(1998年) 10188百万米ドル(1997年)
 [ 対日主要輸出品目]  液化天然ガス、原油・粗油、木製品、非鉄金属鉱、えび、石炭、液化石油ガスなど
 [ 対 日 輸 出 額]  12629百万米ドル(1999年) 10841百万米ドル(1998年) 14629百万米ドル(1997年)
 [ 日本の直接投資]  1024億円(1999年) 1378億円(1998年) 3085億円(1997年)
 [ 日本の投資件数]  57件(1999年) 62件(1998年) 170件(1997年)
 [ 在 留 邦 人 数]  1万1660人(1999年12月)

 出所: Indonesia Year Book 1997−1998, Sam A. Walean, publiher & editor
Statistical Year Book of Indonesia 1999, Badan Pusat Statistik (中央統計局)
Bank of Indonesia 1997/1998
Econit Advisory Group, Economic Outlook 2000
[日本]大蔵省(財政金融月報、外国貿易概況)、外務省(海外在留邦人数調査統計)


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 IV.労働市場

1.労働市場の概況

 インドネシアの労働力人口の増加率は、人口増加率を上回っている。1980年から90年の間、労働力は毎年2.71%増加したが、人口は年1.95%の増加率にとどまった。1990年から95年の間には、労働力は毎年2.43%増加し、人口は1.66%増加している。

 インドネシアは労働力は就業者(employed)と求職者の合計と定義している。この定義によれば、就業しているとみなされるのは、1日最低1時間以上働いた場合である。

 インドネシアの労働力は、1980年の5220万人から90年には7390万人へと増加した。労働力はその後も増加を続け、2000年には9890万人に達すると予想されている。第2次長期計画が終わる2020年には、インドネシアは1億4500万人の労働力人口を有するとみられる。すなわち第2次長期計画中に、インドネシアの労働力は1990年の倍になる。労働力の質が十分であればこの労働力の規模はインドネシアの国家開発にとって大きな潜在力となる。

 産業別にみると、農林水産業が引き続き大きな労働力吸収部門となっている。一方、電気・ガス・水道供給業および鉱業の労働力人口は減少している。経済情勢の悪化でフォーマル・セクターからインフォーマル・セクターへの労働力の移動が1998年には顕著にみられた。インフォーマル・セクターの労働力人口は、5734万人に達し、1997年に較べて368万人、6.86%の伸びを見せた。フォーマル・セクターの労働力人口は、4.5%(141万人)減となった。労働力人口の大多数は、農林水産業などの地方のインフォーマル・セクターに従事している。従来は農村(地方)から都市への労働力移動がみられたが、1998年には都市から農村への労働者の逆移動がみられるようになった。

 1997/1998年に海外で働くインドネシア人労働者数は、23万5275人に達し、1998/1999年には41万5609人へと増加した。送り出し先国としては、サウジアラビア、マレーシア、シンガポールが大きい。

2.雇用失業情勢

 失業率は、1996年の4.89%から97年の4.68%へと減少した。しかし、1997年後半からの経済的混乱、さらに、1998年に入って始まった政治的、社会的混乱が長引き、失業率は大幅に上昇している。1998年は5.5%と当初より小幅な上昇にとどまったが、1999年には、6.4%に上昇した。

(人)

199719981999
 15歳以上人口135,070,350138,556,198141,096,417
 労働力人口89,602,83592,734,93294,847,178
  労働力率(66.34)(66.63)(67.22)
  就業者85,405,52987,672,44988,816,859
  求職者4,197,3065,062,4836,030,319
  失業率(4.68)(5.46)(6.36)
 非労働力人口45,467,51545,821,26646,249,239
  通 学10,814,35611,273,68210,934,731
  家 事25,896,01325,266,90625,857,621
  その他8,757,1469,280,6789,456,887

 出所: Statistics Indonesia, National Labour Force Survey 1997, 1998, and 1999

 労働市場の特徴として、以下のことが指摘ができる。

a.若年者に多い失業
 年齢階層別に失業者の割合をみると、10代後半から20代前半が高くなっている。インドネシアにおいては、企業は職務経験のある者を雇い入れ、戦力として活用することが一般的であり、職務経験が之しい若年者は就労機会に恵まれにくい状況にある。

b.高い割合の短時間就業者
 週労働時間が35時間未満の短時間の就業者の割合が高く就業者全体の4割を占めている。

c.専門技術者・管理職の不足
 従来から、技術職、専門職、管理職等が不足 しているといわれている。その背景として、全体としての学歴水準の低さが指摘されている。一方、未熟練労働者については農村部から都市部への人口集中の影響もあり供給過剰となっている。



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 V.賃 金

1.賃金の動向


生産労働者(非監督者)の平均週賃金 (1000ルピア)

1998 1999 2000

9月12月3月6月 9月*)12月**)3月6月
食品51.752.454.9 63.157.557.257.859.8
繊維57.359.161.1 69.670.274.973.984.1
木材70.071.676.4 87.287.690.596.598.6
製紙76.879.971.0 75.184.783.783.790.0
化学65.066.273.4 82.780.580.580.386.6
窯業56.159.458.4 62.759.161.465.269.2
基礎金属100.6107.886.1 130.3104.3107.2111.6117.3
金属90.589.9100.0 105.394.795.2102.4107.6
その他49.347.558.0 50.241.141.047.948.3
合計62.864.267.8 75.473.175.376.982.6

 出所: Statistics Indonesia
 *)概算値
 **)概算値

2.最低賃金

 1997年、地域最低賃金に関する労働大臣命令 No.3/MEN/1997が公表された。政府は、地域最低賃金とは州レベルにおける最低月額賃金(基本賃金と諸手当で構成される)であると定義している。最低賃金引き上げの勧告は地域賃金委員会が策定し、州知事を通じて労働大臣に提出される。

 最低賃金を実施できない企業は、その実施延期について労働大臣に要請し、少なくとも過去2年間の財務報告書と生産、マーケティングについての計画書(目標を明示)を提出し、かつ社会保障保険料の支払いを証明しなければならない。

 最低賃金改定に関する命令は、これまで毎年1月に労働大臣により署名され、同じ年の4月1日から実施されてきた。最低賃金は州ごとに額が設定される。通常、各企業は最低賃金を目安に従業員の賃金水準を決めるが、ホテル、銀行、レストランなどの業種の企業における賃金水準は、最低賃金よりもかなり高い。

 1999年4月1日から適用された最低賃金は、1998年と比較して平均で16.7%上昇している。しかし、労働省によれば、最賃引き上げが実行されても平均的な最低賃金は、健康維持に必要な最低生活費(1日当たり労働者1人が3000カロリーの熱量を摂取するのに要する生活費)の約70%でしかないという。


地域別月額最低賃金 (ルピア)
2000年2001年増加率(%)
1 アチェ265,000300,00013
2 北スマトラ250,000340,50034
3 西スマトラ200,000250,00025
4 リアウ


  バタム425,000485,00014
  リアウ本土250,700329,00031
  リアウ諸島300,000421,50040
5 ジャンビ173,000245,00042
6 南スマトラ196,000255,00030
7 ブンクル173,300240,00038
8 ジャカルタ344,257426,25024
9 西ジャワ230,000245,0007
10 中央ジャワ185,000234,00026
11 ジョグジャカルタ194,000237,50022
12 東ジャワ202,000220,0009
13 バ リ190,000309,75063
14 西カリマンタン228,000304,50034
15 南カリマンタン200,000295,00048
16 東カリマンタン233,00030,00029
17 南スラウェシ200,00030,00050
18 東南スラウェシ210,000275,00031
19 中央スラウェシ203,000245,00021
20 北スラウェシ186,000372,000100
21 西ヌサテンガラ180,000240,00033
22 東ヌサテンガラ184,000275,00049
23 マルク180,000230,00027
24 イリアンジャヤ315,000400,00027

 2000年9月の大統領令226号により、中央政府の専権的最低賃金の決定権限はなくなり、月額最低賃金は2001年施行の地方自治法にしたがって、地方賃金委員会との協議によって決められることになった。

 2001年1月1日より施行される24週の最低賃金は、下表のとおり公表された。引き上げ率は全国平均で25%となった。

3.賃金関連情報

 [平 均 賃 金]  27米ドル(月額、1998年)
 [賃金上昇率]  平均15%(1998年)

 出所: 平均賃金、賃金上昇率ともにインドネシア労働省の推定。



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 VI.労働時間

1.労働時間の概要

 調査日の前週の労働時間を業種別にみた統計表をつぎに掲げる(1998年)。これによると、15歳以上の人口で、一時的に労働していない者の総数は218万人であり、労働者総数は約8767万人の平均労働時間は週当たり約35.44時間であった。


産業別週労働時間(全国、男女計、1998年) (千人)
労 働
時 間
農 林
水 産
鉱 業 製造業 電気ガ
ス水道
建設業 卸小売
ホテル
運 輸
通 信
金 融
保 険
サービ
ス業 
合 計
0  1,2742017561282838662032,182
1− 43332314631260487
5− 91,70071441172822261682,347
10−143,365143143255813572674,612
15−193,52011357405694673194,869
20−245,1323253551079709795487,435
25−349,303931,130132562,074312392,06015,280
35−448,7492132,604637113,5878362834,57621,621
45−544,2891793,365441,5153,3411,1462072,31616,402
55−599146163154501,492422265874,588
60−746673656862522,559884229165,911
75以上1699861161,01326633761,939
合 計39,4156759,9341483,52216,9144,15461812,39487,672

 出所: Keadaan Angkatan Kerjadi Indonesia, Agustus 1988, Badan Pusat Statistik(中央統計局「労働力状況」)


2.労働時間に関する法律

 法定労働時間は1日7時間、週40時間、危険有害業務の場合は、1日6時間、週36時間に制限されている(労働総局長通達 No.SE.2/M/BW/1987)。この労働時間を超える労働は時間外労働となる。時間外労働手当は労働者には支払われるが、管理職には支払われない。



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 VII.労使関係

1.労使関係概況

 政労使の合意により1974年に採択されたパンチャシラ労使関係システム(Hubungan Industri Panchasila)とは、「労働意欲、生産性の向上を通じて労働者の成長を促進させ、さらに発展の実りの公平な分配を促進するものである」と説明され、政府の主導によりその普及が進められたが、内容が抽象的で分かりにくく、普及の成果が上がらなかった。そこで1985年に改めて「パンチャシラ労使関係実践のための方針」として、協力3原則が掲げられた。

 なお、パンチャシラ労使関係によれば、賃金交渉、解雇などに関して労使間に紛争が発生した場合には、つぎのような手続きで処理されその解決が図られる。

 1) 労働者と使用者の自主的な話合い。
 2) 労使および労働省地方労働事務所の調停官による3者協議(調停官による任意仲裁を選択することも可能。その場合、仲裁結果には強制力がある)。
 3) 地方労使紛争処理委員会の調停(仲裁を行うこともある)。
 4) 仲裁裁定に不服の場合労働大臣に申請(労働大臣決定)。なお民法上は、さらに裁判所に提訴する道も開かれている。

 パンチャシラ労使関係システムは、完全にではないにしろ、1998年以来の政治的混乱の中で忘れ去られ、現在、新たな労使の関係を築くべく模索が始まっている。その基本はまだ明らかになっていないが、民主主義を基本として、労使が対等に話し合い、協力しあって経済の発展に尽くすものとなろう。

2.労働組合

 政府は、公認の FSPSI(全インドネシア労連)にのみ労働組合の設立を限定してきたが、1998年6月5日、ILO 第87号条約(結社の自由および団結権の保護)を批准し、労働組合の設立を自由化した。

 ILO 条約の批准と新たな政界再編は、おびただしい数の労働組合の設立をもたらした。2000年7月までに24の労働組合連合と90の産業別組合が労働省に登録している。

 最大のものが FSPSI であり、1998年の経済危機の中で FSPSI から分離して結成された SPSI Reformasi(全インドネシア労連−改革派)、SBSI(インドネシア福祉労働組合)、SBM(インドネシア自由労組)、sarbumusi(インドネシア・モスレム労組)、PPMI(インドネシア・モスレム労働者友愛会)などがある。

 FSPSI は1999年9月現在、27の州のうち独立問題で揺れる東ティモールを除く26の州すべてに加盟組織を持ち、組合員数においても、財政規模においても最も有力な労組ナショナルセンターとみられている。他方、SPSI Reformasi は1998年の政治改革の動きの中で大きく勢力を伸ばしていると自ら主張しているが、Reformasi はジャカルタ中心の組織で、労働省の資料によれば各州の組織は確認できず、組合員数や財政規模はそれほど大きくないと考えられる。

 組織率は労働省が公表(1999年1月)している数字は約15%であるが、その後の政治、社会情勢の影響で大きく変化していると思われるが、いまのところ(1999年9月)正確な組織率は不明である。

 各労組ナショナルセンターは政党と強く結びついており、1998年以来、政党が乱立する中で労組もまた乱立しているといっていい。これらの労組はいずれも労働者の経済生活を擁護する運動よりも、政党とともに政治的活動に力を入れているといわざるを得ない。労組ナショナルセンターのうち主なものは以下の組織である。

 (1) 全インドネシア労連(FSPSI)
   Federation of All Indonesian Workers Union

 (2) 全インドネシア労連−改革派(SPSI Reformasi)
   All Indonesian Workers Union-Reformation

 (6) インドネシア・モスレム労働者友愛会(PPMI)
   Brotherhood Worker of Indonesia Muslim

 (4) インドネシア・モスレム労組(Sar-bumusi)
   Labor Union of Indonesian Muslim

 (5) インドネシア自由労組(SBM)
   Labor Union Freedom of Indonesia

 (6) インドネシア福祉労組(SBSI)
   Indonesian Prosperous Labor Union

 労働団体の乱立はいろいろな問題を引き起こしている。たとえば政労使三者構成機関や賃金審議会における労組代表をどうするか、海外から招聘を受けた際の代表をどうするかなどをめぐって、各労働団体間で問題が発生しているが、政府はそれを調整できないでいる。

 労働組合登録に関する労働大臣命令(No. PER-03/MEN/1993、1993年2月29日)によれば、すべての労働組合は労働省に登録しなければならない。

 また、企業内労働組合に関する労働大臣命令(PER-01/MEN/1994)によって、企業内労働組合の役割と機能、名称と組合員、権利と義務、交渉、争議などが定められている。

3.使用者団体

 インドネシア使用者協会(APINDO:Asosiasi Pengusaha Indonesia)がインドネシアの代表的な使用者団体である。APINDO はインドネシアの代表的な経済団体であるインドネシア全国商工会議所(KADIN:Kamar Dagang Industri)が主体となって設立したもので、1975年の労働大臣命令によって承認され、今日、労使関係および人事労務に関する問題について使用者を代表する組織となっている。

 APINDO は1952年に設立された PUSPI(社会経済問題に関する経営者委員会)を前身とし、現在の名称になったのは1985年のスラバヤ全国会議の決定による。

 本部はジャカルタにあり、全国27の州に州使用者協会をおき、州の下の195県にも使用者協会をおく全国組織である。国際的には APINDO は1978年に設立されたアセアン使用者連盟(ACE)の創立組織の1つであり、また、国際使用者連盟(IOE)には1969年に加盟している。

 さらに、毎年の ILO 総会に APINDO はインドネシアの使用者代表を派遣し、活発な国際活動を展開している。

 APINDO は労使関係および人事労務問題を主として扱っているが、労働組合と直接交渉することはなく、政府の各種三者構成委員会、審議会の使用者代表を務めること、加盟企業を対象とした教育、情報提供活動を主な事業としている。

 APINDO の会員数は1998年現在、約9000社であるが、日系企業の多くは APINDO に加盟していない。

4.労働争議


(件、人、時間)

スト発生件数参加労働者数損失労働時間
1992年251143,0051,019,654
93185103,490966,931
94296147,6621,421,032
95276126,8551,300,001
96346221,2472,496,448
97234145,5591,250,673
98272145,2201,538,591
9912548,232915,105

 出所:インドネシア労働省


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 VIII.労働行政

1.労働政策の概況

 第6次5カ年計画(1994〜1999年)における労働政策の議題として以下の7点が盛り込まれていた。

(1)国家人的資源計画の策定
(2)労働市場情報システムの統合
(3)自営業発展の促進
(4)見習工制度の強化
(5)パンチャシラ思想に基づく労使関係、労働者保護
(6)適正な海外就労
(7)人的資源組織の発展

 1999年10月に国民協議会で国策大網(1999〜2004年)が制定されており、同時に労働大臣が以下の施政方針を発表した。

(1)失業問題の解決−610万人に上る失業者を完全雇用すること。1%の経済成長で50万人の新規雇用がうまれるので、雇用創出には早急な経済回復が必要。ソーシャル・セーフティー・プログラムによる労働集約事業のみでなく、解雇労働者の吸収のため、中小企業の発展促進や労働者の海外就労促進などにより失業問題の解決を目指す。
(2)労使関係の調和−良好な労使関係を創出するため、労働開発プログラムにおける労働者の権利という ILO 条約を支持する。
(3)最悪の形態の児童労働の禁止−ILO 第182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止)の批准を提案するとともに、児童の漁業労働が有害と判明すれば禁止する。
(4)賃金水準の適正化−地域別最低賃金をグレードアップさせるとともに、高い生産性の輸出志向型企業の労働者の賃金の向上を図る。労働者が生産性の向上に応じた賃金を得ることが労働問題の健全化に繋がる。
(5)海外就労者の保護−海外で働くインドネシア労働者の保護のために、(1)保険制度や健康診断を整備し、(2)海外で労働者が不当な拷問を受けた場合に法律家による救済を可能にする。とくに(2)については、各国に労働者虐待等の情報を収集する在外事務所を設置する。

2.労働関連行政機関

 労働行政は主として下記の機関が担当している。

 労働・移住省(2000年8月以降)

  インドネシア語:Departmen Tenaga Kerja & Transmigrasi

  英 語:Department of Manpower and Transmigration



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 IX.労働法制

 労働基本法典はなく、オランダ統治時代の1887年から1939年に作られたものまで、多数の法律、大臣規則などが定められていたが、その改正案が検討されてきた。改正労働法は1997年に国会で成立し、1998年10月1日より施行が予定されていたが、1998年9月30日、政府は、(1)労働者、使用者などからの労働法への批判および改正要求があること、(2) ILO 条約の批准に伴い、労働組合が増加している状況を同法に反映させる必要があることなどを理由に同法の1年間の施行延期を発表した。

 その結果、1999年10月1日の法律施行は見あわせられた。同月20日に成立したワヒド政権によって、さらに改正労働法の再検討が行われ、2000年10月施行を目指していたが、さらに、2002年10月1日まで延期することが発表された。

 なお、労働組合設立自由化を受けて、労働組合法や労働争議解決法、職業訓練・職業紹介・労使関係法などの草案が、新改正労働法とともに作成中である。

〈改正労働法(1997年成立)の概要〉

(1)労働組合の結成の条件−企業における労働者の話し合いを通じた民主的な方法によって結成する。詳細については、新たに「労働組合法」を設定する。
(2)スト関係規定

スト通知の期限の設定−スト開始7日前までの通知を必要とする。
スト行為の場所の限定−ストの実施は、企業構内での実施に限定される。
(3)児童の雇用禁止−15歳以下の児童の雇用は禁止される。ただし、家族労働、家事、生徒として行われる労働、政府等によって所有されている施設での労働は適用除外となっている。
(4)その他−長期休暇に関する規定が新設され、「労働者は、付与能力のある企業に雇用されているとき、6年以上の勤続の後、最長3カ月間の休暇を取得する権利を有する」とされる。



I.
II.
III.
一般項目
経済概況
対日経済関係
IV.
V.
VI.
労働市場
賃 金
労働時間
VII.
VIII.
IX.
労使関係
労働行政
労働法制
X.
XI.

労働災害
その他
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 X.労働災害

 インドネシア共和国法 No.14/1993によれば、労働現場にいて事故または労働災害を被った労働者は、政府が承認した組織委員会によって補償金を支給される。これには障害を受けた労働者の病院への搬送費、治療費、リハビリ費用、生活補助金が含まれる。  この他に、一時的失業保険、障害保険、事故死保険などの制度がある。死亡保険金の額は100万ルピアであり、葬祭費用は20万ルピアである。



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 XI.その他

1.社会保障

 全国民を対象に総合的に適用する社会保障制度は未だ整備されておらず、1992年に改正された労働者社会保障制度、国家公務員および軍人を対象とした医療保障制度および年金制度、高齢者、障害者、貧困者などに対する社会福祉サービスが個別に存在し、運用されているにすぎない。

 また、国民医療の確保のため、従来から、公立の医療機関による安価な医療サービスの提供が行われているほか、貧困者に対しての無償の医療サービスが提供されている。

 老齢保険は、55歳に達するか、医師の判断で完全に障害者であると認定されたときに、一時金または数回にわたって支払われる。

〈労働者社会保障制度〉

 労働者を対象とする労働者社会保障制度は、以前は労災保険、死亡保障があるだけであったが、1992年に制定された社会保障に関する法律 No.3/1992は、所得の喪失の補償として金銭により労働者を保護する新しい制度に改められた。社会保障制度の運営は、保険制度による。この法律は下記を範囲としている。

 ○ 労災保険
 ○ 生命保険
 ○ 老齢保険
 ○ 健康保険

 10人以上の労働者を雇用し、または、労働者に1カ月当たり100万ルピア以上の賃金を支払っている使用者は、本制度に加入する義務がある。また、それ以外の使用者は、任意加入できる。

 健康保険としては、労働者およびその家族に対する外来診療、入院診療、分娩、薬剤等が現物給付の形で提供されている。老齢給付は、完全積立制度によって成り立っており、当該労働者に対し、積み立てた保険料が年金または、一時金の形で還付される仕組みになっている。労働者は55歳の定年年齢に達した時点で給付を受ける権利が発生する。

 労働者社会保障制度は、PT. Jamsostek、PT Askers、PT Taspen、PT Asabri、PT Jasa Paharja という公社によって運営されており、87の地域事務所が全国に展開している。その他、本制度とは別に、公務員(軍人を含む)を対象とした健康保険制度、年金制度などが存在する。

〈福祉の後退〉

 1998年、1999年上半期における福祉面の後退は急激であった。貧困者の割合は、20年前とほぼ同じである。1998年の貧困ライン以下の人口の割合は約40%と推定されるが、これは1976年の割合とほぼ同じである。

 1999年には、この数字はさらに大きくなると予想されている。

 こうした状況は、底辺層が、減収と同時に物価上昇により二重に困窮状態に置かれた結果である。さらに悪いことには、インドネシアは多額の債務を抱えている。現在、インドネシアは社会不安に曝されている。

2.人的資源開発、教育訓練

 インドネシアの公共職業訓練は、主に労働省が行っている。方法としては、各地域に設置されている職業訓練センターなど職業訓練機関による訓練の提供および企業での実習を取り入れた見習訓練制度の実施が挙げられる。

 現在、大ジャカルタ首都圏だけで、職業訓練校としては経済・会計学校が340校、技術訓練校が110校、観光業学校が25校存在し、各校では約100人から1000人の生徒が学んでいる。職業訓練校の卒業生は関連産業に就職できることが望ましいが、卒業生の多くは実社会に必要な技術を身につけていないためそれが難しい現状にある。

〈職業訓練センターによる訓練の提供〉

 労働省管轄下の職業訓練機関としては、職業訓練センターが最も数が多く、全国に154カ所(1997年)ある。訓練実績は、年間6万8000人程度となっている。職業訓練センターの概要は、以下のとおりである。

(1)職業訓練センターの種類

 ・ 大規模訓練センター(BLK-A)33カ所。各州の中心都市に設置。
 ・ 中規模訓練センター(BLK-B)17カ所。地方都市に設置。
 ・ 小規模訓練センター(=職業訓練講習所 KLK)104カ所。地方町村に設置。
 なお、職業訓練センターは、各地域の社会、経済状況、産業の発展状況に対応して、工業地域では工業系訓練センター、商業地域では商業系訓練センター、その他農村開発系訓練センター、指導員養成訓練センターなどに区分されている。

(2)訓練対象

訓練対象としては、小学校卒業以上(科によっては中学校卒業以上)の18〜45歳までの入所試験合格者である。
 具体的には、求婚者、インフォーマル・セクター労働者、企業との委託契約による在職者、就職前の新規学卒者などが訓練を受けている。訓練期間はコース、職業訓練センターにより異なるものの1コース480〜600時間が一般的である。
(3)訓練内容

主に工業部門の半熟練工の養成を目的に技能訓練を実施する。基本的に各職業訓練センターの規模によるカリキュラムの差はなく、各職業訓練センターの所在する地域産業が必要とする職種および訓練生が希望する職種に必要な技能についての基礎コース、中級コースがある。
 ただし、一部の大規模訓練センターでは、輸出産業(機械、電気、電子)関連の比較的高度な技能レベルを教育する上級コースが設置されている。

〈見習訓練制度の実施〉

 見習訓練制度は、公共職業訓練機関あるいは企業内訓練校での理論教育および基本的な実習と企業での OJT による訓練を交互に行う職業訓練制度であり、主としてドイツのデュアル・システムをモデルにして制度化したものである。

 第6次5カ年計画期間中(1995〜99年)に31の職業訓練センターにおいて実施している。それ以外の職業訓練センターでは、4カ月間の求職者訓練に企業内での OJT を2カ月間追加した形の訓練を実施することとなっている。見習訓練制度については、訓練期間は1年が1サイクルで最大3年間まで、年とともに取得技術、技能のレベルが上がる。

 1年目は、公共職業訓練機関または企業ですべての職種に共通の基本実習および学科教育を4カ月間、その後、企業での現場実習を7カ月間実施する。現場実習では2〜3カ月ごとに部所をローテーションする。

 2年目は、公共職業訓練機関または企業内訓練施設で中級技能および学科教育を3カ月間学び、その後、企業での現場実習を8カ月間実施する(1年目同様ローテーションを行う)。

 3年目は、公共職業訓練機関または企業内訓練施設で上級技能および学科教育を2カ月間学び、その後、企業での現場実習を9カ月間実施し、上級技能の習得をめざす。


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