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(別添)


職発第850号
能発第290号
平成9年12月5日


各都道府県知事 殿

労働省職業安定局長
労働省職業能力開発局長



現下の経済・雇用失業情勢に対応した雇用対策及び
職業能力開発対策の推進について           



 我が国経済は、景気が足踏み状態にあり、雇用失業情勢も、有効求人倍率が低下し、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にある。上 場企業を含め企業倒産が増加傾向にある。
 こうした情勢にかんがみ、政府は、11月18日に「21世紀を切りひらく緊急経済対策」を決定したところであるが、雇用の安定を図るためには、本対策の着 実な推進を図るとともに、関係機関が連携を図りつつ、雇用対策や職業能力開発対策を強力に推進していくことが必要である。
 ついては、各都道府県におかれては、地域の雇用の安定を図るための積極的かつきめ細かな取組を進めていただきたく、以下の点について特段の御配 慮をいただくよう通達する。




  1. 産業・地域にわたる雇用動向の迅速かつ的確な把握、分析

     雇用対策を効果的に進めていくため、地域の経済・雇用動向について迅速かつ的確に把握するよう努められたい。また、雇用安定・創出対策協議会及び雇用安定・創出対策連絡協議会を早急に開催し、地域の経済・雇用動向についての情報交換、雇用対策の協議を行い、開催結果を速やかに報告されたい。

  2. 機動的な雇用対策の実施

    1)
     大型倒産等が発生した場合には、速やかに事業主と連絡をとり状況把握に努め、逐次その結果を報告するとともに、事業主の適切な 対応と協力を要請されたい。また、関係行政機関等と緊密な連携体 制を構築して、離職者の早期再就職促進等に努められたい。
     雇用調整助成金に係る大型倒産等事業主の指定については、「21世紀を切りひらく緊急経済対策」に基づき、平成9年12月5日付け職発第849号により通知したとおり、指定の迅速化、弾力化を図るための指定基準の見直しを行ったところであるので、これを踏まえ、当該指定が必要と認められる場合には、その早期指定が可能となるよう、事業主と十分連絡をとるなど情報収集に努められたい。
     企業の大型倒産等に伴う採用内定取消しについては、平成9年12月5日付け職発第851号により適切に対応されたい。
    2)
     雇用調整助成金制度及び「特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法」(以下「業種雇用安定法」という。)に基づく支援措置の積極的な活用により、雇用の維持及び失業なき労働移動のための支援のより一層の推進に努められたい。
     新たに雇用調整助成金の対象業種又は業種雇用安定法に基づく特定雇用調整業種を指定する必要性が認められる場合には、その早期指定が可能となるよう業界団体等と十分連絡をとり、情報収集に努められたい。
    3)
     求職者の就職促進を図るために、地域の実情に応じ、計画的な求人開拓、効率的な求人情報の提供、きめ細かな職業相談・職業紹介、管理選考・合同選考会の機動的な実施等に努めるとともに、充足見込情報の提供等の求人サービスの充実等の取組を積極的に推進されたい また、公共職業安定所においては、利用者のニーズに的確に応えていくために、業務の重点化や新たな業務手法の導入等を機動的に行うよう努められたい。
     雇用保険受給者については、雇用保険給付担当部門と職業紹介部門 との密接な連携のもとに、一層の早期再就職促進に努められたい。また 、中高年齢のホワイトカラーについては、人材銀行と各産業雇用安定セ ンター地方事務所との連携により再就職の促進に努められたい。


  3. 新たな雇用機会の創出

    1)
     新たな雇用機会の創出を図るため、労働担当部局と商工等担当部局の 十分な連携を図るとともに、各雇用促進事業団雇用促進センター等関係 機関とも密接な連携を図り、以下の措置の有効活用に努められたい。
    2)
     「地域雇用開発等促進法」に基づく雇用機会増大促進地域として指定さ れている地域等においては、地域雇用開発助成金の活用等による雇用 創出の推進に努められたい。また、高度技能活用雇用安定地域として指 定された地域においては、各種支援措置を積極的に活用し、当該地域に おける高度の技能等を活用した新事業展開による雇用創出及び人材育 成の推進に努められたい。
    3)
     「中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に 関する法律」に基づく支援措置の積極的な活用を図る等、中小企業の活 力を活かした雇用創出対策のより一層の推進に努められたい。また、ベ ンチャー企業等と求職者の出会いの場としての情報提供イベントの円滑 な実施に努められたい。


  4. 積極的な職業能力開発対策の推進

    1)
     離職者の円滑な再就職を図るため、公共職業能力開発施設においては、職業安定機関との密接な連携を図り、離職者の職業訓練ニーズの早期把握、受講指示の見込みの的確な把握に努めるとともに、受講枠の調整を行うなど、離職者の再就職に必要な職業能力開発を迅速かつ効果的に実施できるよう受入体制の整備に万全を期されたい。
     また、離転職者訓練の実施に当たっては、委託訓練が実施可能な施設の把握と事前調整等を行い、離職者の職業訓練ニーズに配慮しつつ、その積極的活用に努められたい。
    2)
     離職者のうち、特にホワイトカラーに対する職業能力開発については、都道府県におけるホワイトカラー向け訓練科の活用を図るほか、本年7月に東京都にホワイトカラーの職業能力開発に関する総合的・中核的拠点として開設した雇用促進事業団生涯職業能力開発促進センターとの連携について配慮されたい。

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