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           労働基準法の一部を改正する法律案要綱





第一 有期労働契約(第十四条関係)



 一 期間の定めのある労働契約については、一定の事業の完了に必要な期間を定め

  るもののほかは、契約期間の上限を三年(次のいずれかに該当する労働契約にあ

  っては、五年)とするものとすること。



  1 専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高

   度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労

   働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に

   締結される労働契約



  2 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(1に掲げる労働契約を

   除く。)





 二 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間

  の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するた

  め、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要

  な事項についての基準を定めることができるものとすること。



 三 行政官庁は、二の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に

  対し、必要な助言及び指導を行うことができるものとすること。





第二 労働契約の終了



 一 解雇(第十八条の二関係)



   使用者は、この法律又は他の法律の規定によりその使用する労働者の解雇に関

  する権利が制限されている場合を除き、労働者を解雇することができること。た

  だし、その解雇が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認め

  られない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするものとすること。





 二 解雇理由の明示(第二十二条関係)



   労働者が、解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の

  理由を記載した文書の交付を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれ

  を交付しなければならないものとすること。





 三 就業規則(第八十九条関係)



   就業規則の記載事項のうち、退職に関する事項に解雇の事由を含むことを明ら

  かにするものとすること。





第三 裁量労働制



 一 専門業務型裁量労働制(第三十八条の三関係)



   専門業務型裁量労働制の導入に当たって労使協定で定めなければならない事項

  として、専門業務型裁量労働制の対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に

  応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置並びに当該労働者からの

  苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずることと

  する旨その他厚生労働省令で定める事項を追加するものとすること。





 二 企画業務型裁量労働制(第三十八条の四関係)



  1 企画業務型裁量労働制の対象とする事業場は、事業運営上の重要な決定が行

   われる事業場に限定しないものとすること。



  2 企画業務型裁量労働制の導入に当たって労使委員会が行う決議の要件は、そ

   の委員の五分の四以上の多数とするものとすること。



  3 労使委員会の委員のうち、労働者を代表する委員について、当該事業場の労

   働者の過半数の信任を得ていることとする要件は、廃止するものとすること。



  4 労使委員会の設置に係る行政官庁に対する届出は、廃止するものとすること。



  5 企画業務型裁量労働制を導入した使用者が定期的に報告を行う事項は、その

   対象となる労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保

   するための措置の実施状況に限るものとすること。



  6 労使委員会において、労働時間に関して労使協定により定めることとされて

   いる事項について決議を行う場合の当該決議の要件は、その委員の五分の四以

   上の多数とするものとすること。





第四 その他



  その他所要の整備を行うものとすること。





第五 附則



 一 施行期日



   この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定め

  る日から施行するものとすること。(附則第一条関係)





 二 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。(附則第二条

  関係)





 三 関係法律について所要の改正を行うものとすること。(附則第三条から第五条

  まで関係)

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